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2015年06月13日

ヒマラヤ大地震 パルバック村で行われた医療活動

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短期間でも大丈夫ですので、多くの方に来ていただきたいです!

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ヒマラヤ専門ガイドの浅原です。


生徒達が並ぶ後ろに設営された2つのテント。別々の機関が支援活動を行っていた。


出張行政所

一つは、私たちと一緒にカトマンズからやって来たお医者さんたちのグループ。
もう一つは、パルバック村の行政を行うために、派遣されてきた役人スタッフ。

どちらも支援活動を始めた時点から多くの人が並びはじめ、ひっきりなしにやってくる。


診療所

カトマンズからやってきたお医者さんグループ。
出発前にカトマンズで会議を開いた時に出会い、彼らの準備を手伝った。
いろんな方を通じて、かき集められた薬は出発前には段ボール5箱以上になった。
どこからか? 韓国製の薬も集められ、説明書(ハングル文字)を見ても分からないので、通訳を付けて対応した。





診療所に集まってくる患者さんは、ほとんどが乳幼児と老人。
食料が配給に頼りがちになり、栄養が乏しくて心配になってドクターに診てもらっていた。


村の医療従事者に対して、薬の寄付を行う

老人はどこかかしこが痛いので、打身薬などをもらいにやってきていた。
塩分を多く摂取する傾向のネパールの食事。
高血圧と言われ、食事制限を言い渡される方が意外と多かった。


指紋押印し、一人ずつ台帳と照らし合わす



別のテントでは、役人さんが3名。長テーブルに腰掛け、黙々と行政の仕事を行っていた。
震災の見舞金として受け取れる2000ルピー(日本円で2400円)をひとりずつ手渡しをしていく。

慣れない作業の為、役人さんとトラブルになることもしばしば。
住民台帳に基づいて見舞金が配られるため、他の村から避難してきた人たちには、ここでは受け取ることができないのである。
再住民申請を行い、それを一つ上の行政機関を通じて、許可が出てから受け取りとなる。



太陽もだいぶ西の空に傾き、そろそろ特設の診療所を閉めようとした時・・・
一人の老人男性が親族に付き添われて現れた。
足元が不安定だったため、すぐに手助け。皆で協力して先生に診せることに。

どうやら・・・
地震後に足の裏を怪我をして医療従事者に診てもらったのだが、その時に頂いた薬が・・・
化膿がひどく、足全体に水が溜まって歩きづらい状態。
一部の水が肺に溜まり、呼吸が苦しく咳き込んでいるらしいとのこと。

ここでは対応ができず、翌日の車で都市部の病院へ入院することとなった。


診療が終わり、先生方とミーティング。
村人のご厚意で、お肉入りのダルバートを食べながら。

診察を受けた患者さんの傾向を教えてもらった。
『治療をすぐに受けなければならない人が、ドクターに診てもらうことなく、ひたすら待つ状態である』と。
先生がポロッと口に出した言葉が今のネパールの実情を現していた。




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Posted by ヒマラヤ専門ガイド 浅原 明男 at 17:56│Comments(0)ネパール大地震
 
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ヒマラヤ大地震 パルバック村で行われた医療活動
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