コミックと写真集で赤字になったらしい
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引用:http://ringofcolour.com/contents/wp-content/uploads/2016/08/IMG_0150-1024x871.jpg


アマゾンが読み放題を勝手に削除

アマゾンが2016年8日3日に開始した電子書籍読み放題サービスは、開始当初からかなり話題になっていました。

和書12万冊、洋書120万冊以上が月額980円で読み放題とあって、申し込んだ人も多かった。

だが10月3日、講談社は読み放題に提供していた1000作品以上が、一方的に削除されたとしてアマゾンに抗議しました。

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削除された作品には映画化された『海猿』や『中島知子写真集 幕間 MAKUAI』などランキング上位作も含まれている。

削除はサービス開始1週間後の8月10日ごろから始まっていて、出版社や著者への連絡は一切なかったという。

10月には削除された出版社の数は20社に及んだ。


講談社など一部出版社には9月になって報酬の引き下げを通知してきて、了解しなければ全作品を削除すると通知しました。

契約では一部の出版社とアマゾンは、2016年内に限って報酬を上乗せするようになっていて、上乗せ分をやめる事が伝えられた。

上乗せ廃止に応じない場合には、人気の高い作品から外していくと出版社に通知された。


講談社はこの要請に応じなかった為に外されたと見られるが、その契約では本が読まれた場合は購入した場合と同じ報酬を支払うとなっていた。

利用者が電子書籍のページ10%を開いたら、その本は読んだ事になり、出版社は販売したのと同じ報酬を得る。

2012年のニュースではアマゾンの電子書籍が1冊売れると、販売価格の70%が出版社や著作者に支払われていて、現在も変わっていないと考えられる。



マンガと写真集の「爆読み」

細かく言うと出版社に40%、著者に25%、電子化コスト5%になっている(アメリカの場合)

写真集の場合、1冊3000円以上はザラなので利用者が読むと2500円くらいが支払われるが、写真集は「読む」のに時間がかからない。

アイドルファンなら次から次に写真集をダウンロードして全ページをパラパラ見るのは普通だと思われます。


マンガコミックも同じで、早い人は1冊30分で読んでしまうので、一日何冊も読む。

すると1冊読むごとに300円とか400円が出版社と著者に支払われる事になります。

通常電子図書の読み放題では読んだページ数に応じて料金が支払われ、しかも販売した場合より報酬は少ない。


だが日本では出版社が電子出版に否定的だったので、作品数を増やすために、年内は一部出版社に高額報酬を提示した。

Kindle Unlimitedは予想外に人気がでて利用者が殺到し、2016年に支払う予定だった報酬を、最初の1週間で使ってしまったとされている。

この事からもともとアマゾンはKindle Unlimitedで収益を挙げるつもりがなく、アマゾン利用者へのサービスと位置づけていたのが分かる。



今後は文字作品中心に変わる?

日本の某ハンバーガーショップで以前、携帯で割引クーポンを配布したところ、人気になりすぎて赤字転落した事があったが、どこか似ている。

アマゾンとしては赤字でもユーザーを勧誘できれば良いと思っていたが、読み放題が人気になりすぎて本業を圧迫してしまった。

日本の電子出版の売り上げの9割はコミックや写真集など「読むのが速い」ジャンルだったのも計算違いだった。


アメリカの電子書籍の8割は「大人向けの本」らしいが、文字なので1冊読むのに数日はかかります。

だが日本はマンガと写真なので、毎日5冊くらいのペースで読む人もいるでしょう。

それが読み放題だったから人気が出たのだが、このまま継続すれば決算にも影響しかねなかった。


とはいえこれらはアマゾン側の事情であり、削除された出版社と著者は怒り狂っている。

今後人気コミックや写真集は2度と復活しないと思われ、会員になったユーザーからも不満が出ている。

来年以降Kindle Unlimitedのラインナップは間違いなく落ちるし、アマゾンに負担の少ない、文字が多い「つまらない本」が増えるでしょう。

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