はじめに
仕事を進めていく上で、情報は欠かせない。まずは情報を集める。まずはデータを集める。まずは他社の動向をまとめる。あの人にインタビューをするためにメールを送る。あの本も読んでみないといけない。そうやって色々と情報を仕入れていく。
午前中いっぱい情報を集め、同僚とランチへ。「そういえば今朝のA社のニュース、あれどう思う?」と同僚に聞かれるが、「え?何それ?」と答えると「え!?知らないの?あれはな…」と少し馬鹿にされたような、勝ち誇るような表情を同僚は浮かべる。「なんてこった、自分はもっと情報を集めなければ!」と悔しい思いをする。ますますインプット思考を強めてしまう。
あとでデスクに戻って調べると、同業他社のA社が大きなM&Aを仕掛けるニュースがあったことを知る。まじかよ。自分の現在の仕事とも関連しそうだ。じゃあ、A社のこともちょっと調べてみるか。A社の決算説明会の資料も覗いてみよう。買収先の社長の過去のブログあるようだ。おぉ、結構オモロイことが書いてあるし、勉強になるなぁ。ふむふむ。そのようにして充実した一日が終わる。
私達はついつい、そのようにして情報収集に没頭してしまう。一応、仕事をしているという感覚も得られる。少なくとも頭の中に情報はどんどんインプットされていく。
しかし時間はどんどん経過してしまい、必要な資料を前倒しで作成し、上司から早めにフィードバックをもらったり、それらの情報をもとに何らかのアクションをとるということがジリジリと遅れてしまい、結果的に非常に痛い目に会うこともあるのではないか。
そのため、情報収集をするときは、気合を入れて、攻めの姿勢で立ち向かっていかないと、情報の海に溺れてしまう。そこで重要なのは早食いのように爆速で情報を集めていくこと、かつ質の良い情報を重複が少ない形で爆食いしていくことである。それによってさっさと次のステップに移行していくことができる。今回の記事では前者の「早食い」について紹介しよう。私達の情報収集の大半を占める、ネット上の情報収集のスピードを徹底的に速めていくコツを紹介していくぞ。(ちなみに、次回は「爆食い」について紹介予定だ。)
Google Chromeのコツ
まずは、ブラウザの話。ブラウザに備わっているショートカットは少なくとも10個は身につけるべきである。ページをリフレッシュしたり、新しいタブを開いたり閉じたり、タブ間を移動するという基本中の基本が身についている人は意外に少ない。フォーカスをアドレスバーに移動させたり、履歴・ダウンロード・ブックマークを開くなどの細かいショートカットを使いこなせる人は、さらに少ない。これらを使っていない人は、「Suicaを使わずに毎回切符を購入する」のと同じぐらいの遅いスピードで情報を集めているようなものだ。例えばGoogle Chromeを利用しているのであれば、次のリンク先の8割以上は身につけておきたい。
最低限、使いこなすべきショートカット
以下の表のものは最低限、身につけたいところである。Windows版であるので、Macキーは上のリンク先を確認してみてほしい。
| キー | 内容 |
|---|---|
| 新しいウィンドウを開く | Ctrl+n |
| 新しいウィンドウをシークレット モードで開く | Ctrl+Shift+n |
| 新しいタブを開いてそのタブに移動する | Ctrl+t |
| 最後に閉じたタブを開いてそのタブに移動する | Ctrl+Shift+t |
| 開いている次のタブに移動する | Ctrl+Tab または Ctrl+PgDn |
| 開いている前のタブに移動する | Ctrl+Shift+Tab または Ctrl+PgUp |
| 特定のタブに移動する | Ctrl+1~Ctrl+8 |
| 最後のタブに移動する | Ctrl+9 |
| 現在のタブを閉じる | Ctrl+w または Ctrl+F4 |
| 現在のウィンドウを最小化する | Alt+スペース+n |
| 現在のウィンドウを最大化する | Alt+スペース+x |
| Google Chrome を終了する | Ctrl+Shift+q または Alt+F4 |
| ブックマーク マネージャを開く | Ctrl+Shift+o |
| 履歴ページを新しいタブで開く | Ctrl+h |
| ダウンロード ページを新しいタブで開く | Ctrl+j |
| 現在のページを印刷するオプションを開く | Ctrl+p |
| 現在のページを再読み込みする | F5 または Ctrl+r |
| 現在のウェブページをブックマークとして保存する | Ctrl+d |
グーグル検索を2倍速にする小ワザ
私達は日々、何らかのワードをググっている。何か調べごとをする場合は数十個から100個以上のワードでググることもあるだろう。そのため、検索のスピードを上げるコツが重要になってくる。
例えば「情報収集」と検索したとしよう。その後、通常であれば、マウスで検索結果の中から気になるものをクリックして、そのページを開くことが多い。しかし、マウスは使わず、ここでは「j」をタイプしてみてほしい。そうすると次のように、検索結果に自動的にフォーカスが移動する。
もう一度「j」をタイプすると、次の検索結果に行くはずだ。ここで、Enterを押せばフォーカスされているリンクが開かれる。Command+Enter(mac)とすれば新たなタブで開かれるし、Shift+Enter(mac)で新たなウィンドウでリンクが開かれる。これでマウスを使わずにググることができるようになるので、非常に快適。
私のおすすめは検索結果をいちいち確認せず、高速に次々とトップ5のリンクを別タブで開いてしまうことである。開くべきかどうかを判断する時間もカットできる。関係なかったら、即タブを閉じればよいだけ。この流れが身につけば、ググるスピードがぐっと速くなるので、ぜひ試してみてほしい。ステップを詳しく紹介するとこんな感じ:
- 検索ワード毎に次の動作を繰り返す:
- Command+「T」で新たなタブを開くか、Command+「L」でアドレスバーにフォーカスを移動する
- 検索ワードを記入して、Enter
- 次の動作を5回繰り返す:
- 「j」→Command+Enterにより別タブで検索ページを開く
- Command+「W」で検索結果画面を閉じると、一つ目のリンク先の画面が自動的に現れる(あるタブを閉じると次のタブに移行するため)
- 次の動作を5回繰り返す:
- 表示されているページをざっと読んでみる
- Command+「W」で表示されているページを閉じる
もし、「j」とタイプしてもフォーカスが移動しない人がいれば、検索設定を変更しないといけない可能性がある。まずは、検索設定へ。
「グーグルインスタント検索の予測」をオフにして検索結果数がたくさん表示されるようにしている人はこの機能が使えない。そのため、次の画像のように、前者をオンにしよう。例えばこのような形にすると有効になる:
数年前までは、グーグル検索結果の質が充分ではなかったので、敢えて設定を変更して100件表示させることが欠かせなかった。実際に、50件先、70件先に良いリンクが見つかることも多かった。しかし最近はトップ10でも充分であるほどグーグル検索は使いやすくなってきているし、トップ10に良いタイトルが見当たらなければワードを少し変えてみて、またトップ10を確認するという方法の方が早く良いリンクに辿り着けることが多い。なので「j」のためにトップ10のみの表示に戻すことで失うものはない。しかも検索結果表示スピードも速まる。
Vimiumのコツ
マウスレスを実現する、Vimiumの使い方
マウスを使う動作をなるべく除いていく、というのがスピードアップの基本だ。グーグルの検索結果から少ないキーでリンク先を辿れるようになっても、リンク先のリンクをクリックする場合にマウスを使っていては時間がかかってしまう。ある時このブログでVimiumという機能を知り、それを導入してからはウェブブラウザ上の情報収集速度が50%ほどアップした気がする。
最も使える機能の一つが「F」キーである。「F」とタイプするだけで、見ているページのすべてのリンクの上にアルファベットが表示される。そのアルファベットのキーをタイプすると、そのリンク先に飛べるというものである。
それ以外にもスピードアップに繋がる機能がたくさんあるので、どんどん身につけよう。VimiumはVimというエンジニア向けのエディタと類似のキーを用いた拡張機能であるので、「gg」でページの最初に移動したり、「x」でタブを閉じたりできる。こちらのリンク先に、色々な機能の一覧が見れる。
ダウンロードはこちら:
Vimiumの注意点
Vimiumは便利だが、キーが競合する場合は、Vimiumをオフにしている。例えば前述のグーグルの検索結果画面では「j」が検索結果を一つ一つフォーカスするのに使えるのだが、Vimiumをオンにしてしまうと、ページが下にスクロールするだけでリンクにクリックできなくなってしまう。他にもGoogle Calendar、Gmail、FeedlyなどでVimiumをオフにしている。
また、すでに存在するショートカットとも競合する場合は、Vimium側のキーを採用しない場合もある。例えば先程のVimiumの「x」は使わずCommand+「w」でタブを閉じるようにしている。なぜなら、Vimiumを無効にしているページで無意識に「x」を入力してしまうなど、面倒な事態が発生してしまうからである。こういう細かいことは、実際に使いながらチューニングしていってほしい。
非エンジニアにもエディタを勧める
一方で、Vimがベースになっていることが理由で、非エンジニアのコミュニティにはあまり知れ渡っていないようである。しかし、覚えるべきことはそんなに多くないし、すぐに効果を実感できるので、どんな人であっても、スピードアップしたいのであれば、とにかくいますぐ取り入れるべき機能である。
最近は非エンジニアでも高機能エディタを利用する人が増えている。例えば文系研究者であり、またライフハック・仕事術の権威である野口悠紀雄さんは『話すだけで書ける究極の文章法 人工知能が助けてくれる!』の中で、連載記事や書籍を作り上げる際にエディタの様々な機能を使いこなしながら書き進めていることを明かしている。つまり、ライフハッカーであればエディタを使いこなせた方が何かと便利だ。「エディタって何?」という人は、挫折するリスクを下げるためにも、その前にまずは今回紹介したVimiumに慣れてみることをお勧めする。
単語登録のコツ
単語登録は情報収集をする上で欠かせない。例えば私達は様々なワードをググっているが、いちいちワードを打っていては時間がかかる。もちろんグーグルの検索予測(インスタント検索)やIMEの単語変換予測が充実しているのでそちらに頼ることもできるが、「ブラインド変換」の境地には達しない。しかも、情報収集するときだけではなく、ブログを書いたりメールを打ったりするスピードも合わせて速くなるので一石数鳥。
このブログ記事を書き進める上でも様々なショートカットをググったが、「しょか」で「ショートカット」と変換するように登録しているのでサクサク検索できた。自分の業界に関する単語を数十個登録しておけば、情報収集スピードが速まること間違いなし。それに慣れてきたら、100個、200個と数を増やしていこう。私は先日、ようやく500個を超えた。「え?そこまでやるの?」と思うかもしれないが、その理由や利点はこちらの記事で解説したので、気になる人は見てみてほしい。
QAサービスのコツ
情報収集と言えば「ググる」が最も成熟したテクノロジーの一つであるが、まだまだ完成形からは遠く、それだけでは求めている答えを得られないことも多い。「20年前に最も有名だったIT業界の経営者って誰だろう?」とか「掲示板、ブログ、SNSと変遷してきたネットで次にブレイクするプラットフォームは何だろう?」などの疑問を調べようとしても、ググるキーワードが浮かんでこない。なぜなら、そのキーワードが答えになっているようなものだからだ。検索エンジンに無限に時間は吸い上げられていくが、良い情報にはたどり着かない。でも、詳しい人に聞いたら一発で答えやキーワードが出てくる場合がある。そういうケースに当てはまるのであれば、QAサービスが役立つ。
自分の業界や本業に関することであれば、自分より詳しい人はいないはずなので、ネット上で解決するのではなく、自分で仮説を検証し答えを導き出していく気概が欲しい。例えばブロガーであれば、「2020年にはブロガーはどういう形になるのだろうか?」という疑問を深掘りするには、ググるというより自分で日々考えていくしかない。QAサイトで質問しても、自分よりも知識のない人が答えてくれるだけだ(と思えるぐらい自分を高めておきたい)。
しかし、他の業界について調べないといけないときや、将来強みにしたい分野に関すること、もしくは日常的なちょっとした疑問であれば、QAサイトで質問したり過去の投稿を検索するのは極めて有用だと感じている。
一般的な質問はヤフー知恵袋へ
まずは、ヤフー知恵袋を思い浮かべる人が多いと思うが、これは「ぱっと検索して答えが出てこなかったけど、それ以上時間をかけて検索するのがもったいないような、どうでもいいようなこと」に向いている。
例えば久しぶりに映画館に足を運びヒット作を見てきた時に、「映画館のビジネスモデルにおいてポップコーンはどれぐらい重要なんだろう?」という疑問が浮かんできたとする。もしググってすぐに答えが出ればそれで良いが、そういう日常的な疑問一つ一つに30分以上かけていては早食いマンとして本末転倒である。一方で疑問を解決せずに放置し続けると、好奇心レベルがどんどん低下してしまい、間接的に本業にも悪影響を及ぼす。そこで、そういう時にヤフー知恵袋に投げてしまうのだ。そうすると、「自分は疑問を放置しなかった」という満足感も得られるし、週末にまとめて振り返ると、8割ぐらいはやはり参考にならないが、残りの2割ぐらいはなかなか有用な答えが得られる。方法はスマホアプリ、匿名での投稿がお勧め。
専門的な質問はQuoraへ
逆に専門的な疑問の場合はヤフー知恵袋は使いものにならないので、Quoraのような専門性の高いQAサイトを利用しよう。例えば「掲示板、ブログ、SNSと変遷してきたネットで次にブレイクするプラットフォームは何だろう?」という先程の疑問に対しては、こういう回答が簡単に見つかる。
先程はググりようがなかったが、回答の中から「VR」というキーワードを得られるので、次のステップとしてはこのワードをベースに色々とググってみれば良い。さらなる疑問が生まれれば、またQAサイトを織り交ぜていく。「VR時代のブロガー」というテーマを自分なりに考えてみるきっかけにもなるだろう。
場合によっては、知り合いで詳しい人に聞いてしまい、さらに知見を深めていく必要も出てくるかもしれない。普段からそのような人脈を構築する努力も欠かせない。そういう努力の方法はこちら。
他にも専門的なQAサイトはたくさんある。「プログラマーであればStackoverflow」と言うように、各分野にザ・QAサイトがあると思うので、自分の分野のものを各自で使いこなしてみてほしい。
時間を制限するコツ
早食いは、時間制限を意識することで可能となる。ダラダラと情報収集していては、いくらショートカットを身に着けても速くならない。私は『速さはすべてを解決する』(著:赤羽雄二さん)の影響をかなり受けているので、その中で紹介されている目安(一日の情報収集の時間を一時間以内)を採用している。
終わりに
今回は情報収集をダラダラと行わないための、情報収集のプロセス自体を速めるコツを紹介してみた。これで早食いのように爆速で情報を集めていけるはずだ。
ちなみに次回は爆食い情報収集術を紹介していきたい。「いかに食べ物の質を高めていくべきか?」や「いかに同じ食べ物を食べないか?」という点を極めていく方法などを取り扱う。