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【読書感想】テレ東的、一点突破の発想術

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テレ東的、一点突破の発想術 (ワニブックスPLUS新書)

テレ東的、一点突破の発想術 (ワニブックスPLUS新書)


Kindle版もあります。

テレ東的、一点突破の発想術 (ワニブックスPLUS新書)

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内容(「BOOK」データベースより)
面白いアイディアが湧いてくる!制約があるほど活きてくる!お金なし、才能なし、コネなしでもスゴ腕Pに!アイディア一発・成り上がりメソッド!!テレビ東京の番組が他局から嫉妬されるワケ。


 著者の濱谷晃一さんは、テレビ東京ドラマ制作部のプロデューサー。
 バラエティ班時代には『ピラメキーノ』の総合演出、オリジナルドラマ『好好!キョンシーガール』のプロデューサーなどを歴任されており、最近の代表的な仕事としては、『俺のダンディズム』『ワーキングデッド』『太鼓持ちの達人』などのドラマがあります。
 このタイトルを並べるだけでも、「知っている人は知っている」というか、「ちょっと変わった人なのかなあ」という感じがします。


 しかしながら、この本を読んでみると、濱谷さんはけっこう「常識人」っぽい感じがするのです。
 他のテレビ東京の名物プロデューサーと比べると、なんですが。
 そんな濱谷さんが、なぜこんな個性的な番組をつくるようになったのか?
 濱谷さんは、テレビ東京の「特徴」として、こんな話をされています。

 テレビ東京には企画のアイディアをとても大切にする文化があります。
 社員は皆、他局にはない斬新でテレビ東京らしい企画を考えようという気概がありますし、企画募集には毎回、とてもたくさんのユニークな企画が集まります。
 それは、なぜか?
 答えは簡単。テレビ東京が予算やビッグネームの出演などに関して他局にビハインドがあるからです。
 とはいえ、テレビ東京もおかげさまで最近はゴールデンで豪華な大型特番も編成されるようになり、ビッグネームもけっこう出演してくれるようになりました。でも、低予算のハンディをアイディアで凌駕する”一点突破の企画”に正解を求めるDNAは色濃く残っています。
 僕が入社した当時の上司が言っていた話を思い出します。
「予算○○万円と聞いて、他局のプロデューサーが『そんな予算じゃ番組は作れない!』と言ったのに対して、テレビ東京のプロデューサーは『そんなに予算があったら、使い道がわからない』と言った」
 冗談半分だと思いますが、実にテレビ東京らしいエピソードだなと思いました。


 お金がない、ビッグネームも出てくれない……うーん、それじゃあ、「いい番組」は作れないのでは……と、テレビ東京のスタッフは考えないのです。
 むしろ、だからこそ面白いアイディアで「一点突破」することができる、というプラス思考で、この状況を逆利用してしまいます。
 たしかに、なんでも「好きなだけお金を使っていいし、好きなタレントさんを出していいよ」と言われたら、案外、とっかかりがないというか、何をやろうかな、と悩んでしまいそうな気もするんですよ。
 「好きなことを書いていい」という「自由な作文」が、予想外に書きにくいように。
 それに、テレビ東京の場合は「成功」と判断される視聴率のハードルが他の民放よりも低めなので、よりニッチな層を攻められる、という強みもあるのです。
 「万人向け」を意識すると、どうしても、無難なものになりがちですし。
 最近は、テレビ東京に出演しているタレントさんが、他局より「格下」というイメージは無いんですけどね。
 テレビ東京の空気感みたいなものを好んでいる芸人さんも多いのではないかと。

 予算30万円で30分番組を作るのは、本当に大変です。でも、若手が独創的な番組をどんどん企画していました。
 例えば、2013年の1月に放送された『テレビは○○で出来ている』という番組。野球のネクストバッターズサークルだけを専門に描く職人を取り上げたドキュメンタリー——もちろんそんな職人はいませんからフェイクドキュメンタリーなのですが、面白い作りでした。結局、『○○』には「ウソ」が入るのがオチなんですが。
 あと、街中で笑っている人を見かけては、笑っている理由を聞くだけの番組、『今、何で笑ったんですか?』もやっていました。どちらも、オリジナリティ抜群でしたが、50万円という制約が、普通ではない番組作りを促したのだと思います。
 僕自身は”若手”と呼びづらい年齢だったので、企画を出すのを遠慮しましたが、「『みんな透明人間!』というドラマなら出演者ゼロだし50万円でも作れるかな?」とか、「『パラパラ漫画GP』なら紙芝居の持ち込みだから作れるかな?」など想像を膨らませていました。制約があれば、それに見合ったアイディアの引き出しが生まれるので、良い刺激になります。

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