〈時代の正体〉 あすヤマ場の副読本問題 「朝鮮人虐殺」記述どうなる

2013年度の改訂で写真が削除された関東大震災殉難朝鮮人慰霊之碑=横浜市西区の久保山墓地


教育行政の原点


 当初、指導企画課は年内の配本を目指し、新副読本の原稿確定を9月下旬に予定していたが、教育委員への報告を行うことになったことなどから作業はずれ込んでいる。定例会を経た後、岡田優子教育長の決裁で最終決定するとしている。

 「原案はあくまでたたき台。自信を持って子どもたちに手渡せるよう検討を重ねてきた」と説明する三宅一彦課長は改訂作業の大詰めを迎え、強調する。

 「横浜の子どもたちのために大事にしてきた教育行政のあり方は引き続き大事にしていきたいという思いは持っている」

 例えば、在日コリアンが多く暮らす横浜市にあって、民族共生を掲げ「在日外国人(主として韓国・朝鮮人)にかかわる教育の基本方針」を市教委が策定したのは1991年。在日コリアンに対する差別をなくしていくためには過去の反省が必要として、その祖先が受けた虐殺の史実を背景も含めて副読本で詳述してきた歴史がある。

 「関東大震災における虐殺は国家が認めた虐殺だった。国を挙げての差別こそ、後のアジア侵略というさらなる虐殺の原点だった」

 北代表は続ける。

 「副読本問題は横浜という一都市の問題にとどまらない。政治圧力に翻弄(ほんろう)されてきた教育行政が本来の姿に立ち返るのか、戦争の時代に再び進んでいくと自ら宣言するのか。その分かれ道。異なる民族へのヘイトスピーチ(差別扇動表現)に表れている差別と排外の空気が強まっているいまこそ、原点に戻ってほしい」

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