天皇陛下 タヌキの生態を論文にまとめられる

天皇陛下 タヌキの生態を論文にまとめられる
天皇陛下は、皇居の森に生息するタヌキの生態について、5年間にわたって研究した成果を論文にまとめられました。
皇居には吹上御苑など、およそ115ヘクタールの敷地に多くの緑が残され、十数頭を超えるタヌキが生息していると見られています。

天皇陛下は、タヌキが何を食べているのかを明らかにするため、国立科学博物館の研究員らとともに、平成21年から5年間にわたって調査を行い、成果を論文にまとめられました。

天皇陛下は毎週日曜日の午後、みずから御所の近くにある森の特定の場所からタヌキのふんを採取し、顕微鏡を使って中に含まれる植物の種を分析されました。
その結果、皇居のタヌキは、主にムクノキの実を餌としており、季節によってクサイチゴや、エノキなど、さまざまな植物の実を食べていることがわかったということです。
こうした傾向は5年間ほぼ変化がなく、皇居内では複数のタヌキが生活を維持できる餌が長期にわたり、安定的に供給されていると考えられるということです。

論文は、ことし8月、国立科学博物館の研究報告集に掲載されました。天皇陛下は平成20年にも皇居内のタヌキに関する研究論文を発表していて、これで、ハゼ類に関するものと合わせて34編の研究論文をまとめられたことになります。