トランペット関連について。
トランペットは奏者によって音色が本当に大きく異なる
トランペットなどの金管楽器は他の楽器と異なり自分の唇を鳴らして音を出すので、自分の身体も楽器の一部です。
トランペット自体はマイクのようなものです。
というわけで演奏者によっての違いもわかりやすいので聴くのも楽しい楽器だと思います。
昔の人から最近の人、国内外、ジャンルを問わずに紹介していきます!
Maurice Andre(フランス)1933年5月21日 - 2012年2月25日
トランペットの神様と呼ばれたトランペット界を大きく変えた大巨匠。
アマチュア音楽家の家庭に生まれる。
父親の友人レオン・バルテルミーにトランペットの手ほどきを受け、パリ音楽院に進むように奨められるが、入学許可証を得るため、軍楽隊に加わった。
音楽院では、レイモン・サバリッチの薫陶を受け、在学1年目にコルネットで、2年目にトランペットで首席となる。
卒業の翌年、パリ国際音楽コンクールで見事優勝をとげる。
1955年にジュネーヴ国際音楽コンクールにて優勝すると、1963年にもミュンヘン国際音楽コンクールにて優勝した。
ピッコロトランペットという短いトランペットを開発したのも彼で、近代
トランペットを大きく変えました。バッハ、テレマン、などのレパートリーの再評価へも尽力しました。
とにかく明るくて煌びやかで、きれいな音。
録音を聴いているだけで、トランペットは一生懸命吹く楽器じゃないんだ!っていうのが分かります。
録音の数も膨大です。Youtubeにいくらでもあるので聴いてみてください。
Hans Gansch(オーストリア)1953年4月13日 -
ウィーンフィルの首席をつとめた最高のトランペット奏者。
本当に完璧…
ドイツ語圏のトランペット吹きの理想です。まだまだ全然衰えを感じさせません。
こんな風にハイドン吹ければオケは入れるんだろうなあ…
1997年からザルツブルクのモーツァルテウムという大学で教授をしていて、ここもオーケストラにたくさん入る有名なクラスでした。
(もう退官されました)
クラスでも愛されていたんだなとわかる動画たち
Fanfare Hans Gansch Verabschiedung - YouTube
Hans Gansch Happy Birthday 60er - YouTube
アルペンシンフォニーとか最高です。
19:57のところでソロです。完璧!!!
- アーティスト: ガンシュ(ハンス),A.マルチェルロ,アルビノーニ,ハイドン,フンメル,ジークハルト(マルティン),スピリット・オヴ・ヨーロッパ
- 出版社/メーカー: エクストン
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このハイドンは本当におすすめ。
Adolph Herseth(アメリカ)1921年7月25日 - 2013年4月13日
シカゴ交響楽団の伝説的なトランペット奏者。
79歳までシカゴ響のなかで吹き続けるという超人。
まじでキュインキュインです。指導者としても有名でした。
Ole Edvard Antonsen(ノルウェー)1962~
ジュネーブ国際コンクール優勝の、存命の中で最高のトランぺッターの一人。
この人はとにかくなんでも口笛を吹くみたいにすっごい楽に吹いてしまうんですね。とにかく軽くて怒鳴る感じが一切ない。
中学3年生の頃に初めて彼のリサイタルに先生と一緒に新宿まで聴きに行った時のことは鮮明に覚えています。
今までに全く聞いたことのないような優しくていい音色で、一気に引き込まれました。
特に高音を何のエネルギーも使わずに聴こえるくらい軽く吹いていて
「今の自分は全然違う吹き方をしているんだ!!」と気づき演奏会中彼がどうやって吹いているのか必死に考えていました。
まあとにかく高音を吹くのにたくさん息をだす必要はないんだなと気づいてなんだか出せる気がしました。
当時中々きれいに高音が出せずに悩んでいたんですが、彼のコンサート中に何かが分かった気がして終演後にサインをもらってそのまま新宿の楽器屋さんに行きました。
そこで「楽器貸してください!!!」といって一度も吹いたことのないピッコロトランペットと普通の楽器を借りて試奏室で吹きました。
そしたらめっちゃ出ました。笑
ピッコロトランペットを吹いてみたら普通に上のDくらいも楽に出ました。
同じイメージでB管吹いたら出ました。
おー!!!ってなってハイドン吹いてみたらDesもでました。オケスタとか吹いて遊んでたらN響の長谷川さんが試奏室を覗き込んできたので
「僕もともゆきっていうんです!」って突然声をかけました。笑
むこうは「あ、う、うん、、よろしくね。」ってちょっとたじろいていました。笑
その日を境に高音はどんどん出るようになりました。
学生の皆さん、巨匠が来日したら必ず聴きに行きましょう。
ジョリヴェやトマジ、デザンクロ、プラネルの音源や、フランセなども出しています。
コルネットのCDも最高
- アーティスト: ウーレ・エドヴァルド・アントンセン,アンリ・トマジ,アンドレ・ジョリヴェ,ロベール・プラネル,アルフレッド・デザンクロ,ラン・シュイ,サン・パウロ交響楽団,ウーレ・エドヴァルド・アントンセン(トランペット),オルガ・コピロヴァ(ピアノ)
- 出版社/メーカー: BIS
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Antonsen, Ole Edvard: Golden Age of the Cornet (The)
- アーティスト: Ole Edvard Antonsen
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- 発売日: 2009/10/01
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Alison Louise Balsom(イギリス)1978年10月7日
いわずとしれた美女トランぺッター。パリ国立高等音楽院を首席で卒業し、モーリスアンドレ国際コンクールで入賞。スタープレイヤーです。
Legendeは彼女の演奏が一番好きです。
そしてバロックにも力をいれていて、こちらもまじでうまいです。やばい。笑
Wynton Marsalis(アメリカ)1961年10月18日 -
彼はジャズもクラシックも両方こなすスーパースターで、グラミー賞を受賞しています。
とにかくテクニックがすごい。
これを村上春樹は
「『ライヴ・アット・ブルーズ・アレイ』は実に達者な音楽だが、繰り返して聴いていると、意外に聴き飽きがする。変なたとえで申し訳ないんだけど、やたら前戯がうまい男みたいで、もうひとつ信用できないところがある(個人的感想)」
といっています。
出典:focus imaginarius:マルサリスの退屈さについて→村上春樹の見解 - livedoor Blog(ブログ)
Andre Henry(フランス)1969年ー
僕が東京音大で習っていた先生です。もう本当にスーパースター。あり得ないラッパです…
ものすごく優しいppからギンギンなffまで音がとにかくすごい。
音楽も本当にすごい。
よく大学で、マウスピースこれどうかなー
とかいって持っていくと、ジョリヴェやデザンクロを吹いてくれたんですが、それが本当にすごすぎて。笑
1969年フランス南部に生まれ、12歳でトランペットを手にする。故郷の村は小さく、トランペットの先生はいなかった。しかし、アンリはモーリス・アンドレのレコードを最初の「先生」として、独学でトランペットを学んでいった。
7年後、アンリはジャック・ジャルマッソンに出会い、アヴィニョン国立高等音楽院にてわずか1年後にトランペットで審査員満場一致の第1位を獲得(1987年)。さらに1年後にはコルネットにおいても第1位を獲得した(1988年)。
リヨン国立高等音楽院 第1位
リヨン・キワニスクラブ期待の名手コンクール 第1位
ローヌ・アルプスコンクール 第1位
トゥーロン国際音楽コンクール 第1位
第1回フィリップ・ジョーンズ国際コンクール 最高位と併せて現代曲特別賞
モーリス・アンドレ・トランペットコンクール 入賞
1996年ジュネーヴ国際音楽コンクール 優勝
これはフランス人としてはモーリス・アンドレやフランシス・マルセル・アンディに次ぐ快挙であった
Tine Thing Helseth(ノルウェー)1987年8月18日 -
若手女性トランペッターで、女性らしい繊細なトランペット。
ベルリンで一度演奏を聴きましたが本当にすごかった…
ノーベル授賞式で演奏したことが話題に。
Ten Thingという女性だけの金管アンサンサンブルも人気です。
- アーティスト: Johann Baptist Georg Neruda,Johann Nepomuk Hummel,Joseph Haydn,Tomaso Giovanni Albinoni
- 出版社/メーカー: Simax
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ハイドンおすすめ!
Gábor Tarkövi(ハンガリー)1969年ー
ベルリンフィルの首席。オーケストラの理想。
ハンスガンシュの弟子です。
お会いしたことがあるんですが、とてもきさくで優しい人柄で素敵な方でした。
レッスンもすっごく吹いてくれます。最高。。。
Tarkovi, Gabor: Trumpet Concertos
- アーティスト: Gabor Tarkovi
- 出版社/メーカー: Tudor
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ほんとうまい…
Sergei Nakariakov(ロシア)1977年 -
若くしてデビューした天才イケメントランぺッター
日本でテレビでたり。
一度ベルリンでショスタコービチのコンチェルトを聴いたんですが本当に素晴らしかった。。。
軽ーく吹いちゃいます。
Timofei Dokshizer(ウクライナ旧ソ連)1921年‐
20世紀を代表する巨匠。
ロシアの作曲家が彼にたくさんの曲を書いたり、ブラントなどの曲の再評価につながりました。
プラハの春国際コンクールでも優勝。
- アーティスト: ドクシツェル(チモフェイ),フンメル,ネルーダ,ハイドン,バルシャイ(ルドルフ),ソデツキス(サウリュス),フルニエ(フィリップ),モスクワ室内オーケストラ,リトアニア室内管弦楽団,リヨン室内管弦楽団
- 出版社/メーカー: Digital MediaLab.,Inc.
- 発売日: 2000/05/25
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本当に熱い歌心で、ロシア魂を感じることができます。
Håkan Hardenberger(スウェーデン)1961年‐
パリ国立高等音楽院で学び、数々の国際コンクールに優勝した巨匠。
現代音楽に特化しており、彼のためにたくさんの曲が書かれました。
武満徹の曲も初演。
Matthias Höfs(ドイツ)1961年‐
本当うまいです。とってもいい人で、優しくて親切。
とにかく完璧な音!!
Reinhold Friedrich(ドイツ)1958年‐
ミュンヘン国際コンクール優勝のドイツ最高のトランぺッターの一人。
ルツェルン祝祭管弦楽団の首席もつとめ、カールスルーエ音大の教授。
音がとにかくすごくて、音楽も本当にあたたかくて素晴らしい。
豪快でエネルギッシュな人です。
Frits Damrow(オランダ)
元ロイヤルコンセルトヘボウオーケストラ首席奏者。
本当に完璧でいい音…
最高!
毎日のように来日している親日家です。
Jeroen Berwaerts(ベルギー)1975年‐
ベルギーのトランペッターで、北ドイツ放送響の首席。現在ハノーファー音大の教授。
とにかく澄み切った音で、数々の国際コンクールに入賞したソリスト。
挙げきれない!!
いすぎて挙げきれません。笑
国外の奏者しか上げられませんでしたがまだまだたくさんいます。
いやあ、たくさんいるなあ・・・
書いてたらきりがなくなってきたのでもうやめます。
一通りきいてみると、みんな個性豊かなことがわかると思います。
みなさんトランペット好きになってくださいねー
トランペット関連