政府が40年以上にわたり推進してきた大企業中心の経済政策がここにきて限界に達し、副作用が拡大している。かつて韓国経済は、政府が重化学工業の大企業を育成したことで急速に成長した。大企業の急速な成長に伴って関連中小企業も成長し、多くの雇用が生まれて中産層が拡大した。しかしグローバル競争が激しくなると、大企業の成長は鈍化した。大企業は常に構造調整によって雇用を削減し、中小の協力企業に対しては納品単価を大幅に引き下げ、工場の海外移転を進めている。かつて大企業の成長過程で生まれていたトリクルダウン効果(富める者が富めば、貧しい者にも自然に富がしたたり落ちるという考え方)は見られなくなった。
それにもかかわらず政府はかつての成功方式にとらわれ、大企業中心の経済政策に固執している。今夏の猛暑で実体を現した「電気料金累進制(使用量が多いほど電力量料金の単価が高くなる方式)」は、大企業中心の政策の極致だといえる。政府は家庭用の電気料金には累進制を適用して多額の料金を徴収する一方で、産業用については家庭用よりも安価な料金を適用した。独フォルクスワーゲンの排気ガス不正問題や「オクシー・レキットベンキーザー」の加湿器殺菌剤死亡事件では「韓国では大企業の過ちによって消費者が致命的な被害を受けても十分な補償が受けられない」という構造的な問題が露呈した。
大企業に偏った経済政策は、大企業と消費者、大企業と中小企業という二極化を招いた。その結果、ほとんどの消費者は可処分所得が減少し、国内景気は長期的な低迷に陥っている。政府は大企業寄りに極端に傾いた政策軸を消費者と中小企業寄りに移し、バランスを修正すべきだ。消費者保護政策や中小企業振興策を一つ二つ打ち出したところで問題は解決しない。消費が活性化し、韓国経済が活力を取り戻すためには、大企業に偏った政策を根底から変えなければならない。