豊洲市場問題 都議会は審議の継続を提案へ

豊洲市場問題 都議会は審議の継続を提案へ
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豊洲市場をめぐる一連の問題を審議する東京都議会の委員会が、7日までの2日間、開かれ、都は先に公表した内部調査の報告書の内容について、誤りだったとして訂正しました。また、議員側が、市場の建物の工事をめぐり入札の予定価格が当初より400億円引き上げられた経緯の中で、入札の参加業者が都に対し予定価格を引き上げるよう求めていることを示す資料を明らかにしました。
都議会の経済・港湾委員会は7日までの2日間の日程で、豊洲市場をめぐる一連の問題について審議しました。

この中で、公明党の大松成議員は、都が先週、公表した内部調査の報告書に記載された「市場の建物の地下に空間を設ける案を技術会議が独自に提案した」とする内容について、「技術会議ではなく都側の提案だったのではないか」と指摘しました。
これに対し、都の岸本良一中央卸売市場長は「指摘のとおりで間違いだった。おわびしたい」と答弁し、技術会議ではなく都側の提案だったと訂正ました。

共産党都議団の可知佳代子議員は、豊洲市場の3つの主要な建物の工事をめぐり、最初の入札が不調に終わったあと、予定価格が一気に400億円引き上げられた経緯についてただしました。
この中で、議員は「予定額が引き上げられたうえ、落札率も平均99.87%と談合の疑いが濃厚だ」と述べ、入札が不調に終わったあと、ゼネコン3社が都のヒアリングに対し、予定価格を引き上げるよう求めていることを示す資料を明らかにしました。
そのうえで、「都は業者の求めに応じて予定価格を引き上げたと言われてもしかたないのではないか」と指摘しました。
これに対し、都の担当部長は「工事の発注当時は東日本大震災の復興に向け、建設費と人件費が上昇し、低入札の傾向もあり、ヒアリングで見積もり条件を見直す認識を持った」と答えました。

委員会は終了しましたが、新たな事実が一定程度、示された一方、「いつ誰が盛り土をしない方針を決めたのか」については、今回も明らかにされず、都議会は審議の継続を提案することにしています。