阿蘇山　爆発的噴火　広範囲で噴石飛散か　警戒レベル３に引き上げ

　８日午前１時４６分ごろ、熊本県の阿蘇山の中岳第１火口で、爆発的噴火が発生した。噴煙の高さは雲のため不明で、１キロを超える広い範囲に噴石が飛散した可能性がある。気象庁は噴火警戒レベルを２（火口周辺規制）から３（入山規制）に引き上げた。火口から２キロの範囲で、大きな噴石に警戒するよう呼び掛けている。

　熊本県によると８日午前２時現在、噴火による人的被害は確認できていない。県警によると、噴火により阿蘇市内では灰が混じった雨が降った。市は１０カ所の避難所を設置した。政府は８日未明、首相官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置した。

　気象庁によると、火口付近では、噴火時刻に震度２の地震を観測したほか、７日午後９時５２分にも小規模な噴火があった。火口周辺では火山性微動の振幅が大きく、火山ガス（二酸化硫黄）の放出量が非常に多いため、今後も噴火の恐れがあるという。

　中岳第１火口では１９７９年９月に噴石で観光客３人が死亡。２０１５年９月にも火砕流を伴う噴火が発生している。今年５月１日には、ごく小規模な噴火が発生している。