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【ドイツ銀危機】和解金減額報道で警戒感和らぐも…見えぬ収益回復の道筋 

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【ドイツ銀危機】
和解金減額報道で警戒感和らぐも…見えぬ収益回復の道筋 

 米司法省がドイツ銀行に支払いを求めていた巨額の和解金が大幅減額されそうだと報じられたことで、9月30日の欧米金融市場ではドイツ銀の経営の先行きへの過度な警戒感はいったん和らいだ。ただ、予断を許さない状況は続きそうだ。

 最近のドイツ銀の株価は連日のように急落し、過去最安値圏で推移。昨年夏の約3分の1に沈んでいた。30日もドイツ銀の株価は一時10ユーロを初めて割り込んだが、和解金の額が当初の4割弱に減額される見通しだと報じられたことで大きく持ち直し、前日比6・4%高で終えた。ドイツ銀の経営不安がひとまず後退したとの見方からドイツや米国の株式市場は反発した。

 ただ、実際に大幅減額で決着したとしても、「ドイツ銀には固有のリスク要因が複数あり、本格的な収益回復に向けた道筋がはっきりしない」(銀行系証券)との見方がある。ドイツ銀をめぐっては2月にも債券の利払い能力への懸念から株価が急落したことがあり、市場の視線は厳しい。

 イタリア3位のモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ銀行も経営難に陥っており、欧州の金融システムに漂う懸念は今後も市場心理の重しになる恐れがある。(森田晶宏)

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