【日本洗脳 工作の真実 WGIPの全貌に迫る】GHQ対日占領教育改革の中に“戦争の罪悪感”植えつける情報宣伝計画 (2/2ページ)

2015.06.16


厚木飛行場に着いたマッカーサー元帥 =1945年8月【拡大】

 「ブラック・プロパガンダ」という、情報が非公然で偽のメッセージを敵国に宣伝する米戦略諜報局(OSS)と、「ホワイト・プロパガンダ」という情報源が明らかな広報的宣伝を担当した米戦時情報局(OWI)の文書だ。このOSSとOWIが協力した、中国共産党支配下の日本人共産主義者らが、中国での日本兵捕虜の「洗脳」に成功した。

 エマーソン氏は戦中、中国・延安で中国共産党首脳の毛沢東、周恩来両氏、のちに日本共産党議長となる野坂参三氏らと密接に接触したという。ここで、日本兵捕虜が「洗脳」によって「反日」思想に見事に改造されていく対日心理作戦に注目し、分析リポートをワシントンに送った。これが米国の対日心理作戦(=心理戦争と呼ばれる戦時プロパガンダ作戦)に大きな影響を与え、トルーマン米大統領の「降伏後における米国の初期対日政策」に色濃く反映された。

 象徴天皇による天皇制の存続は、OSSやOWIの日本兵捕虜尋問の分析結果の反映であり、米文化人類学者、ルース・ベネディクト氏の名著『菊と刀』は、日本兵捕虜尋問に基づく対日心理・文化戦略論文であることが、米ヴァッサー大学所蔵の「ベネディクト文書」によって明らかになった。ベネディクト氏はOWIの外国戦意分析課の主任分析者であり、OWI海外情報局の文化研究基礎分析の責任者も兼任していたのだ。

 ■高橋史朗(たかはし・しろう) 明星大学教授。1950年、兵庫県生まれ。早稲田大学大学院修了後、スタンフォード大学フーバー研究所客員研究員。臨時教育審議会(政府委嘱)専門委員、埼玉県教育委員長など歴任。男女共同参画会議議員。主な著書に『検証・戦後教育』(広池学園出版部)、『日本が二度と立ち上がれないようにアメリカが占領期に行ったこと』(致知出版社)など多数。

 

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