初の男女混合インタビューとなる今回は、飲み友達という同世代アーティストが登場！「ヒダカさん」「かおりん」「TAKAくん」と呼びあうアットホームな雰囲気は、まるで親戚の集まりにやって来た従兄妹そのもの。そんな仲良しトリオのほんわかトークをお楽しみください!!
そんな秘密が!?TCJ50参加作品に込められた想い
ヒダカマコトさん
――皆さんは、どのウルトラマン世代ですか？
ヒダカ：『ウルトラマン(1966)』『ウルトラセブン(1967)[?]』『帰ってきたウルトラマン(1971)[?]』あたりの再放送ですね。宮崎では放送されてるシリーズが少なかったから、ウルトラマンキング[?]なんて塗り絵で知って、最初はウルトラ・ファミリーのおじいちゃんだと思ってました(笑)。
フカホリ：僕も思ってました(笑)。ただソフビは持ってて、一番カッコ良くて気に入ってましたね。
――フカホリさんはどの世代ですか？
フカホリ：小学校の頃に『ウルトラマンコスモス(2001)[?]』が放送されていました。ちょうど剣道を習っていて、放送時間と練習時間がかぶると、「おなかが痛いので……」って抜け出して(笑)。
――そこまでして観たかったんですね。
フカホリ：それに大人になって『ウルトラマン(1966)』を見返すと、初期作品のインパクトに改めて気付くんですよね。オープニング・タイトルがグニャ〜っと出てくるあたりが不気味でいい味出してるんですよ。
ひなた：あのタイトルの入り方って、すごく印象が強いですよね。
フカホリ：それに当時は、本物の火を使ったりするじゃないですか。あれ危ないですよね(笑)。
――『ウルトラマンタロウ(1974)』の第18話では、ゾフィーの頭が本当に燃えてるのに、そのままバトルを続けるんですよね。ああいった、体当たりの映像も昭和っぽくて良いんですよ。ひなたさんにとって初めての円谷作品はどのシリーズですか？
ひなたかほりさん
ひなた：『ウルトラマンティガ(1996)[?]』あたりですけど、ちゃんと見たのは最近ですね。今年の8月に一週間、「大怪獣サロン」さんで「KAIJU GALS」の展示会をした時に、期間中、ずっとウルトラマンのDVDを見せて頂いてたんです。その時に『ウルトラマンマックス(2005)[?]』の第16話「わたしはだあれ？」にハマりました。宇宙化猫（うちゅうばけねこ）のタマ・ミケ・クロ[?]の3匹の怪獣が宇宙から飛来して人々を記憶喪失にしちゃうんですけど、その騒動の中で、地球防衛隊の「DASH」はもちろんのこと、ウルトラマンマックスまで戦い方を忘れるんですよ！
※大怪獣サロン……映画監督で、円谷作品の脚本も手がける中野貴雄氏がプロデュースした「怪獣」がテーマのカフェバー。
――ファンに、『ウルトラマンマックス』最大のカオス回と呼ばれるエピソードですね。
ひなた：ウルトラマンマックスへの変身の仕方がわからなくなったり、変身したらしたで、今度はマクシウムソード（いわゆる“アイスラッガー”）の使い方がわからず、しゃがんだ拍子にポロリと落ちたり(笑)。
――ほぼコントなのに、最後だけ、満島ひかりさん演じるエリーに魂の言葉をかけられて立ち直るという熱さなんですよ。タマ・ミケ・クロも妙に愛嬌があって、いい怪獣でした。みなさんは一番好きな怪獣というと、やはりTCJ作品でモチーフにされた怪獣ですか？
ヒダカ：エレキング[?]が好きなんですけど、哀しいことに、物語の中で切り刻まれてるんですよね。それが小さい頃はトラウマでした。ただTCJで描くとなると、フォルムに重点を置きたいのでジャミラ[?]を選びました。逆三角形の、すごくいいフォルムなんです。
ひなた：ジャミラって、なんで元人間だということが分かったのか、映像を何回見ても分からないんですよね。映像では、パッと見て「あいつジャミラだ！」って気付いてるんですけど(笑)。
フカホリ：たしかに。面影さえ残ってないのに(笑)。
――ひなたさんは、思い入れがある怪獣というと、やはりタマ・ミケ・クロですか？
ひなた：そうですね……。でも、TCJに出品するにあたっては、ピグモン[?]とかブースカ[?]とか、グッズにした時にかわいい怪獣を選びました。
ヒダカ：かおりんのイメージにぴったりだよね。
ひなた：ああいう、ほんわかしたキャラクターが好きです。ただ、TCJで発表しているイラストを描くにあたっては、女性だけではなく男性ファンにも欲しいと思ってもらえるものを作りたかったので、円谷ファンの声に耳を傾けながらキャラクターを選びました。例えば、紋章の左下の部分をボーダーにしたんですけど、『ウルトラセブン』のファンのために、一番上だけアイスラッガーにしたんです。
――作品に情報量があるので、ひなたさんの作品は探す楽しみがありますよね。フカホリさんが印象深い怪獣というと？
フカホリ：色々いるので迷いますけど……バルタン星人[?](『ウルトラマン』第2話に登場)が子供心に怖くて印象に残っています。いきなり背後に現れるし、分身するし、おまけに人を人形みたいに動けなくしちゃいますから。でもただ怖いだけじゃなく、暗い場面だと、目が光ってかっこいいんですよ。
ひなた：TAKAくんが着ているTシャツにも描いてありますよね。私も描かせていただきましたけど、デフォルメするにあたって悩みました。これをどうかわいくしようかと(笑)。線を増やせば増やすほど生々しくなっちゃいますし。
フカホリ：どんどんセミっぽくなっちゃいますよね。
――フカホリさんが描かれた作品では、ちゃんと2代目バルタン星人も描き分けられているんですよね。
ひなた：ほんとだ！ それに、ほっぺが丸いんですね(笑)。
フカホリ：「ウサデス」と一緒です。自分らしさを入れたかったので、ほっぺを赤くすることでキャラクターを統一しました。
ヒダカ：ウルトラ怪獣のイメージを崩さないラインで、どれだけ自分の色が出せるかは僕もこだわりました。TCJでは他のアーティストさんもジャミラを描くだろうし、そうでなくても「ヒダカマコトにしか描けないもの」を作ろうと思っていましたから、何枚も描いて自分らしいフォルムを探しました。
――微妙なバランスがいい味になってますよね。
ヒダカ：どうも(照)。今回はジャミラでしたけど、僕はクレージーゴン[?]も好きなんですよ。あれもフォルムが好きで、小さい頃は「めっちゃ車食ってるな！」って思いながら再放送を観てたんです。自分好みの逆三角形のフォルムですし、今度はあれをやってみるのも良さそうですよね。
ひなた：私はPICsのデザインを見渡したときに、「絵本テイストって少ないな」と思ったので、TCJではそちらの方向を目指して、2種類のデザインのうち1種類は手書きのエンブレムをデザインしました。
――王侯貴族テイストがいいですね。
ひなた：このデザインにしたのは、もともとヴィンテージ系が好きなのと、色々な要素が盛り込めると思ったからなんです。探すと発見がある作品にしたかったので、ギュッと詰めこみました。私は「オシャレな小物だと思ったら、実はキャラクターグッズだった」というものが好きですから、絵の具で一気に描いたような手書き感でオシャレにしました。
――フカホリさんは『ウルトラマン(1966)』に登場する全怪獣を描かれてますよね。
フカホリ：トートバッグとスマホケースは、登場順で怪獣が並んでいます。見た人に笑顔になってほしいので、愛らしい感じであったり、発見があるような作品を心がけました。ただ最初の一体を正面から描き始めたら、正面の顔がなかなか見つからない怪獣もいて、資料探しで苦労しましたね(笑)。Tシャツは最初から自分で着るつもりだったので、ベースを黒に、色数を抑えてどんなファッションにも合うようにしました。あと僕はウルトラマンのロゴが大好きなので、これは絶対に入れたいなと。
――TCJでロゴ入りの作品は珍しいですよね。それでは最後に、今後のTCJへの取り組みについて意気込みをお願いします。
ヒダカ：フォルムが素晴らしい怪獣はまだまだいるので、それらを作品にしてTCJで発表したいですね。まずはクレージーゴンかな。イラストをプリントする以外の商品でも、色々とご提案できれば嬉しいです。
ひなた：女の子もウルトラマンに興味を持てるよう、例えばブースカみたいな、元からかわいいキャラクターをモチーフにしたり、またはぬいぐるみや絵本など、いかつい怪獣をモチーフにしてもかわいくできる商品を出せたらいいなと思います。
フカホリ：アーティストの先輩方に「ウルトラマンの全怪獣を描いたんだから、次はウルトラセブンだね」と言って頂けたので、次はぜひ、「ウルトラセブン」にチャレンジしたいですね。
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