家族に子供がいるのでミニバンが良いんだけど、本当はスポーツカーに乗りたいと思っているお父さんにピッタリの車をご紹介します。以前ご紹介したMPVターボよりも軽量でスポーティな走りを期待できるのがスバル エクシーガです。
スバルといえば水平対向エンジン
エクシーガはスバルのいいとこ取りをしたような車です。エンジンバリエーションはターボなしの自然吸気の水平対向エンジンが2.0Lと2.5Lの2種類、そして何と言ってもターボ付き水平対向2.0Lエンジンの設定です。これらはレガシィ、インプレッサ、フォレスターなどで使われるEJ20という形式のエンジンです。
普通よく使われる直列エンジンは垂直にピストンシリンダーは並んでおり、V型エンジン角度を付けて向き合い並んでいます。
水平対向エンジンは読んで字のごとくピストンシリンダーが水平に向き合って並んでいるエンジンです。このためエンジン自体の高さが押さられ、エンジンルーム内において重心を低い位置に置くことが出来ます。
そして水平対向エンジンはピストンが撃ち合ってボクシングをする様子と似ている為、ボクサーエンジンと呼ばれることもあり、お互いに振動を打ち消し合うので振動が少なく、制振する部品も減らせるので、静かで軽量なエンジンにすることが可能です。
ちなみにこの水平対向エンジンを市販の自動車に使用しているメーカーは現在、スバルとポルシェだけです。(86はスバルからのエンジン供給です)
なぜ、重心が低くなると良いのか?
身近な例を挙げると台車の上に荷物を並べた時のことを想像してみて下さい。
同じ重さの箱を1段に4つの箱を水平に並べたときと、4段に4つの箱を垂直に積み上げた時、バランスが悪いのは高く積み上げたときでしょう。
車でも同じ事が言えます。重心が高いと言うことは揺れやすくバランスが悪いということです。逆に重心が低いということは揺れにくくバランスが良いので、乗り心地がよく、カーブも曲がりやすいということです。
この低重心エンジンをうまく利用して、屋根が高く、しかもオプションでは重いガラス製のパノラミックガラスルーフを装備しているにもかかわらず、それを気にさせない車体作りはさすがスバル車といったところです。
7人乗り版レガシィ
水平対向エンジンを搭載して不動の人気を誇るのがスバル レガシィです。レガシィは間違いなく人気車種です。スポーティな走りが可能なステーションワゴンは長年のファンも多く、モデルチェンジを繰り返しながら現在も高い人気を誇っています。
「そんなレガシィに7人乗りがあったらなぁ」
という声があったかどうかは知りませんがw
屋根を高くして3列シートにし、7人乗れるようにしたのがエクシーガです。基本構造はインプレッサ、フォレスターをベースとしていますが寸法やホイールベース(前輪と後輪の間隔のこと、ホイールベースの長さで車の印象は大きく変わります。)は当時のレガシィとほとんど同じです。
そして約50%のパーツがレガシィと共用されています。
なので、背が高くて7人乗れるようになったレガシィがエクシーガと考えても間違いではないでしょう。
もう少し発売時期が早ければ人気車?
不人気のポイントとしては高さ以外の寸法としてはレガシィと同等ですから、正直ミニバンとして見た時には窮屈な印象はあります。サードシートは子供用か、1台の車でまとまって近所に食事に行くとき程度用と割り切って使いましょう。
また、発売時期も影響していると言えるでしょう。ヒンジドアのロールーフミニバン(トヨタ ウィッシュ、ホンダ ストリームなど)は発売当時全体的に下火になりつつありました。
それから、ガソリンの急騰が影響してハイブリッド車などが主流となりはじめたエコカーブームの中、ターボエンジン、4WDというパッケージはどうしてもイメージが悪いです。実際2.0Lターボ車はハイパワーと引き換えに、口コミ実燃費7.7km/L~8.5km/Lと良くはないです。
2.0Lターボなしエンジンで8.4km/L~9.8km/L、2.5Lで10.0km/L~10.3km/Lなので燃費を気にする人は2.5Lターボなしがおススメです。
それでもおススメはターボ、4WD車
ミニバンとして考えると役不足が否めないですが、この車の推しどころはスポーツ性能です。と、言うわけでこの車を選ぶなら燃費なんか気にせずにスバルらしさを楽しめるターボ付エンジンの4WDである2.0GTグレードがおススメです。
アイサイト付となると少し高値で取引されていますが、アイサイトがついていないモデルであれば100万円前後の中古車が出回りはじめています。初期モデルが10年も経っておらず新車価格が300万円近くしていたことを考えればお買い得と言えるのではないでしょうか?
2008年に販売開始され、2015年にエクシーガは販売終了。
現在はエクシーガクロスオーバー7が2.5Lエンジン1種類のライナップでオーバーフェンダーなどを装着し、流行りのSUV色を強めて販売されています。
うーん不人気車らしい仕打ちだw
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