700万円無駄…倉庫2カ月使わず 検査院調査
日本年金機構の近畿ブロック本部(大阪市中央区)が、文書の保管場所として倉庫を借りたにもかかわらず、契約後2カ月間、全く利用していなかったことが会計検査院の調査で分かった。検査院は2カ月分の賃借料に当たる約700万円を不適切な支出と指摘する方針。同機構のコスト感覚が改めて問われそうだ。
2007年の「消えた年金記録問題」発覚後、再発防止に向けて文書管理の適正化を進めた結果、機構が保管する文書は12年度末時点で約120万箱分となった。同時期の外部倉庫での保管費用は年間約8億5000万円に上っており、保管場所の確保や費用節減が課題になっている。
関係者によると、近畿ブロック本部が11年春に倉庫会社と結んだ契約について検査院が調べたところ、同本部が詰め込み用の箱を用意し、文書の搬入を始めたのは契約締結から3カ月後だった。
同本部の担当職員は現地の状況を確認しないまま「倉庫会社が書類棚などを整備するのに時間がかかる」と思い込んで搬入を遅らせたが、倉庫には元々棚が備え付けられており、整備は必要なかったという。
【松浦吉剛、高木香奈】