成年後見で1億円余着服 元弁護士に懲役6年判決

成年後見で1億円余着服 元弁護士に懲役6年判決
東京の元弁護士が、成年後見人を務めていた認知症の女性3人から1億円余りを着服したとして業務上横領の罪に問われた裁判で、東京地方裁判所は「着服した金で豪遊するなど犯行は悪質で、成年後見制度への信頼を揺るがしかねない」として懲役6年の判決を言い渡しました。
東京・千代田区の元弁護士 渡部直樹被告(49)は、去年6月までの4年間に成年後見人として財産を管理していた認知症の女性3人の口座から合わせて1億1000万円余りを着服したとして、業務上横領の罪に問われました。検察が懲役7年を求刑したのに対して、被告側は「精神的に不安定で十分な責任能力がなかった」として刑を軽くするよう求めていました。

7日の判決で、東京地方裁判所の稗田雅洋裁判官は「住宅ローンや生活費の支払いに必要な時期に必要な金額を横領していて、責任能力に影響するような症状はなかった」と指摘しました。そのうえで、「着服した金でキャバクラで豪遊するなど犯行は悪質で、成年後見制度に対する信頼を揺るがしかねない。被害者は老後の蓄えを奪われ、入居していた施設からの退去を考えざるを得なくなった人もいて結果は重大だ」として懲役6年を言い渡しました。