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 岐阜県土岐市の自然科学研究機構・核融合科学研究所は6日、重水素実験に備えて設置した放射性物質トリチウムの除去装置を報道機関に公開した。研究所は安全を求める地元に配慮したとしているが、「実験で発生するトリチウムは法的に放射性物質としての扱いが必要ない微量」と説明している。

 研究所は、将来の核融合炉設計につなげるため、来年3月、超伝導核融合プラズマ実験装置で重水素実験を始める予定だ。

 実験ではトリチウムや中性子が発生する。除去装置は実験で排出されるトリチウムを含む水素ガスを酸化させて水にし、回収する。また、実験で発生する中性子は建物のコンクリート壁で遮蔽(しゃへい)するという。研究所は「装置を使うと、研究所の敷地に居続けても、影響は自然放射線の千分の1以下、体内のトリチウムの15分の1以下になる。内外の同様の施設では大気中に排気している」と説明する。同研究所は8月から、土岐市と、隣接する同県多治見、瑞浪両市の市長や市議、区長らに除去装置を公開している。