映画『ブレードランナー』続編のタイトルが『Blade Runner 2049』に決定しました。
映画 Blade Runner が公開されたのは1982年。作家フィリップ・K・ディックの小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか (Do Androids Dream of Electric Sheep?)』を原作に、リドリー・スコットが監督した近未来SF映画の傑作です。
ハリソン・フォードが演じた主人公デッカードは、逃亡したアンドロイドNexus 6型を追う捜査官(ブレードランナー)。アンドロイド(レプリカンド)たちが人間と区別できない外見と高い知能、感情を持ちながら使い捨ての奴隷として扱われ、冷酷に「処分」される一方、レプリカントと人間を識別するテスト(フォークト=カンプフ法)は「共感能力を測る」ものとされているなど、SF的ガジェットを満載しながら「人間とは何か?」を問いかける作品でした。
加えて、リドリー・スコット印の陰影で描かれる荒廃した近未来のビジュアルも、現代にいたるさまざまな作品に多大な影響を与えています。
ワーナー・ブラザーズは映画ブレードランナーの続編制作を決定したこと、ハリソン・フォードが30数年ぶりに主人公デッカードを演じることなどを発表済みでしたが、正式なタイトルが『Blade Runner 2049』になることは今回初めて明らかにされました。
しかし、タイトル以外の内容は相変わらず非公開。分かっているのはハリソン・フォードが再びデッカードを演じること、ほか一部のキャスト、監督がドゥニ・ヴィルヌーヴであること、2017年公開予定であることなど。
しかしタイトルの2049から、中身も多少推測することはできます。まず、オリジナルの映画ブレードランナーの世界は2019年という設定。つまり、新作は前作から30年後になります。公開年でいえば35年離れているため、ハリソン・フォードがほぼ実年齢どおりに年を重ねた世界が舞台と考えられます。
(ついでにいえば、映画の直後を舞台にしていた続編小説(K・W・ジーター著)とはまた別の物語であることも示しています)
映画のビジュアルは未公開ですが、後世に多大な影響を与えたリドリー・スコットのブレードランナーの世界を使いつつ30年先の未来とすることで、ヴィルヌーヴ監督ならではの新しいビジュアルに変わっていても物語上不思議はありません。
一方、VRヘッドセット Oculus Rift のメーカー Oculus は本日開催した開発者カンファレンス OC3の開幕キーノートで、『Blade Runner 2049』の公開にあわせて、Oculus で体験するVRコンテンツを提供することを発表しています。
ディズニーはスター・ウォーズ フォースの覚醒でもVRヘッドセット向けの独自コンテンツやHTC Vive向け実験的コンテンツを制作していました。映画の公開にあわせて、同じ世界に没入した体験ができるVRコンテンツ配布は定番のプロモーションとなりそうです。
(トップの画像は本日公開された制作風景。映画本編からの一枚ではありません)。