豊洲市場問題 委員会で内部調査報告書にない新資料も
k10010720801_201610070439_201610070442.mp4
豊洲市場をめぐる一連の問題について審議する、都議会の「経済・港湾委員会」が6日から始まり、審議では、都の内部調査の報告書には記されていなかった、盛り土に関する新たな資料が示され、議員から内部調査は不十分だったという指摘が出されました。7日も引き続き、当時の都の対応などについて審議されます。
都議会の経済・港湾委員会は6日から2日間の日程で始まり、豊洲市場をめぐる一連の問題について、6日は午後2時半から10時半までおよそ8時間にわたって審議されました。
審議の冒頭、委員会の理事を務める自民党の田中豪議員が「市場の敷地全体に盛り土をしたので安全だという、結果として虚偽の説明を続けた都に、強い憤りを覚える」と述べたうえで、議会としても問題を見抜けなかったことに対し、市場関係者や都民に向け陳謝しました。
また、都の担当局の中央卸売市場の岸本良一市場長が「今回の問題で多大なご迷惑をかけていることに、心よりおわび申し上げます。組織のガバナンス、内部統制の問題と部署どうしの連携の問題は、私の姿勢に関わっていると痛感する」と述べました。
審議の冒頭、委員会の理事を務める自民党の田中豪議員が「市場の敷地全体に盛り土をしたので安全だという、結果として虚偽の説明を続けた都に、強い憤りを覚える」と述べたうえで、議会としても問題を見抜けなかったことに対し、市場関係者や都民に向け陳謝しました。
また、都の担当局の中央卸売市場の岸本良一市場長が「今回の問題で多大なご迷惑をかけていることに、心よりおわび申し上げます。組織のガバナンス、内部統制の問題と部署どうしの連携の問題は、私の姿勢に関わっていると痛感する」と述べました。
地下水と土壌をどうする
共産党の尾崎あや子議員は、都が今月から始めた水位の測定によって、地下水が、きれいな土で造成された盛り土の層まで達していることがわかったとして、食の安全を守るうえで問題だと指摘しました。
指摘に対し、都は、今月中旬から本格稼働させる「地下水管理システム」によって、地下水の上昇を盛り土の層より下に抑えると説明しました。
これに対し尾崎議員は「盛り土の工事の終了後から4年がたっていて、この間に土壌が再び汚染された可能性がある」として、都に詳細な調査を求めました。
指摘に対し、都は、今月中旬から本格稼働させる「地下水管理システム」によって、地下水の上昇を盛り土の層より下に抑えると説明しました。
これに対し尾崎議員は「盛り土の工事の終了後から4年がたっていて、この間に土壌が再び汚染された可能性がある」として、都に詳細な調査を求めました。
「内部調査は不十分」
民進党の浅野克彦議員は、都の内部調査の報告書には記されていなかった、盛り土に関する新たな資料について質問しました。この資料は平成23年1月までに豊洲市場の建物の設計にあたった大手設計会社が都に提出したもので、イメージ図では、盛り土の上に建物と基礎部分があり、このうちの基礎部分は「盛り土不要」と説明しています。
その後、都の中央卸売市場の幹部職員らは、提出された資料の内容について会社から説明を受けていて、浅野議員は、都の内部調査でこれらの幹部職員に聞き取り調査をしたのか尋ねました。
これに対し都の担当者は「幹部職員は現在も4人が在職しているが、内部調査での聞き取りは行っていない」と答えました。
浅野議員は「結果として、内部調査は不十分と言わざるをえない」と指摘したうえで、追加の資料を要求して、7日の審議でも都と会社とのやり取りについて詳細に説明をするよう求めました。
その後、都の中央卸売市場の幹部職員らは、提出された資料の内容について会社から説明を受けていて、浅野議員は、都の内部調査でこれらの幹部職員に聞き取り調査をしたのか尋ねました。
これに対し都の担当者は「幹部職員は現在も4人が在職しているが、内部調査での聞き取りは行っていない」と答えました。
浅野議員は「結果として、内部調査は不十分と言わざるをえない」と指摘したうえで、追加の資料を要求して、7日の審議でも都と会社とのやり取りについて詳細に説明をするよう求めました。
どこまで核心に迫れるか
6日に開かれた都議会の経済・港湾委員会では、各会派から事前に請求のあった、豊洲市場の一連の問題についての資料が、およそ300ページにわたって都から提出されました。これにより、都が公表した内部調査の報告書にはなかった資料の存在が明らかになるなど、新たな事実も示されました。
一方で、審議では、「個人情報の保護」が壁となって、問題の原因などの究明を難しくしている面もあります。
特に、内部調査では、現在の都の幹部職員のほか、退職した副知事など、合わせて32人に対して聞き取り調査を行っていて、議員たちは「ヒアリング内容は事実の究明に向けた重要な証言になる」として、都に公開を求めるなどしました。
しかし都の担当者は、「聴取を受けていることと、その内容自体が個人情報にあたる。さらに任意の聴取であるため、非公開となる」という答弁を繰り返しました。
また、議員からの請求により提出された資料の中にも、書面の大半が黒塗りされたものもあり、「小池知事も『のり弁当のようだ』と指摘したのに、依然として改善されていない」という批判が出ていました。
結果として、1日目は、いつ誰が盛り土をしない決定をしたのかについて「特定するのは難しい」と結論づけた、内部調査の報告書を超える事実が明らかにされたとは言えず、2日目の7日にどこまで核心に迫れるかが焦点となります。
審議は、7日午後1時から再開されます。
一方で、審議では、「個人情報の保護」が壁となって、問題の原因などの究明を難しくしている面もあります。
特に、内部調査では、現在の都の幹部職員のほか、退職した副知事など、合わせて32人に対して聞き取り調査を行っていて、議員たちは「ヒアリング内容は事実の究明に向けた重要な証言になる」として、都に公開を求めるなどしました。
しかし都の担当者は、「聴取を受けていることと、その内容自体が個人情報にあたる。さらに任意の聴取であるため、非公開となる」という答弁を繰り返しました。
また、議員からの請求により提出された資料の中にも、書面の大半が黒塗りされたものもあり、「小池知事も『のり弁当のようだ』と指摘したのに、依然として改善されていない」という批判が出ていました。
結果として、1日目は、いつ誰が盛り土をしない決定をしたのかについて「特定するのは難しい」と結論づけた、内部調査の報告書を超える事実が明らかにされたとは言えず、2日目の7日にどこまで核心に迫れるかが焦点となります。
審議は、7日午後1時から再開されます。