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 中国政府は22日、2015年の中国の対外直接投資額が前年比18・3%増の1456・7億ドル(約14・6兆円)で過去最高になったと発表した。中国企業の国外での積極的な買収や投資に支えられ、日本を上回って初めて米国に続く世界2位に浮上した。

 国外からの投資を受け入れることで経済成長を果たしてきた中国だが、国内市場が飽和に近づく中で企業は国外進出を急いでいる。国有化学大手の中国化工集団が伊タイヤ大手のピレリを52・9億ドル(約5300億円)で買収するなど、大型の投資案件が相次いだ。15年の対外投資額は、1356億ドル(約13・6兆円)だった対中直接投資額を上回り、中国商務省は「統計上も初めて正式に資本輸出国となった」とする。

 日本への投資は前年比39%減の2・4億ドル(約240億円)。ただ、中国から国外への投資は、対外投資の6割以上を占める香港からさらに再投資されることが多く、統計が実際の目的国を把握しにくい仕組みになっている。(北京=斎藤徳彦)