4月の読んだ本

2015年4月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:3684ページ
ナイス数:288ナイス

小川洋子「言葉の標本」小川洋子「言葉の標本」感想
小川洋子作品の言葉を標本にしようという企画本。きれいな写真やレイアウトは「注文の多い注文書」に似た感じがします(これ大好きです)。中身は小川洋子作品の指南書的な感じ?既読はまた読みたくなるし、未読は読んでみたくなる、そんな作りにはなってると思います。ただ、その部分だけひょいと抜粋された文章は、小説から抜け出た段階で死んでいるような気がしたのも事実。(ある意味だから「標本」とは言い得て妙ですね)読むというよりは眺めて浸る、そんな一冊かもしれません。美しいので手元にほしいなとも思いました。
読了日:4月24日 著者:小川洋子・福住一義
ランチのアッコちゃん (双葉文庫)ランチのアッコちゃん (双葉文庫)感想
さらっと読めて面白かったです。読後は気持ちが軽やかになって元気がもらえるような、そんな感じ。何かに気づかされ、自分の何かを変えていくしなやかさって大切だなと思いますね。自由軒のドライカレー、懐かしいな。私もカレールーが中途半端に余ったらアレを真似ることがあります。
読了日:4月23日 著者:柚木麻子
恋 (新潮文庫)恋 (新潮文庫)感想
小池真理子作品初読。中盤からは一気読みでした。倒錯した三人の関係、退廃的な雰囲気、学生運動…登場人物の造形が生き生きとしていました。強羅の旅館で信太郎が語る秘密とか、ラストのマルメロの木とか、ミステリー的でうまい。意識していなかった分、余計にドキッとさせられました。
読了日:4月21日 著者:小池真理子
さがしもの (新潮文庫)さがしもの (新潮文庫)感想
九つの本の物語。スッと入り込める短編集でとてもよかったです。「不幸の種」「引き出しの奥」「さがしもの」がお気に入り。世の中には数え切れない本があり、誰かには一生を変えるぐらいの特別な本でも、誰かには読んだことすら忘れるような一冊だったり。また以前読んだ時には感じなかったようなことを感じる、そんな読書体験など…人と本との間の様々な関係性が面白いな〜と思ったり。
読了日:4月19日 著者:角田光代
絶唱絶唱感想
連作短編集。すごくよかったです!白・湊さんでした。「約束」の中の「悲しいのは別れであって、死ではない」というのが刺さりました。最後の「絶唱」ではうわ〜!となって…喪失と再生、鎮魂、祈り、20年という月日…胸が締め付けられました。湊さんの、人間の醜い嫌な部分を容赦なく生々しくあぶり出す筆力と構成力にはいつも驚かされますが、そういう感じは最後の「絶唱」に少し見られるかな。でもイヤミスではなく全体的には白・湊さんで、静かな力強さを感じたのが新鮮でした。
読了日:4月16日 著者:湊かなえ
満願満願感想
面白かった!短編集ですが読み応えは長編に負けない、大満足の読書でした。流麗で淡々とした筆致、ゾクゾクする緊張感、瞬発力のある怖さとでも言えばいいのか…お話の核心が見えた時に広がる景色には切れ味があり鮮やかでした。各短編のラストの一行も印象的です。「万灯」「満願」が特にお気に入り。「柘榴」は怖すぎました。
読了日:4月13日 著者:米澤穂信
虚夢 (講談社文庫)虚夢 (講談社文庫)感想
これぞ薬丸岳さんという感じで一気読み。刑法39条、殺人を犯しても罪に問われないとする精神状態とは?正常と異常の境目とは?それらを鑑定する精神科医はどこまで見ることができる?専門家でない普通の人間に分かるように説明できるならしてほしいという悲痛な叫びが聞こえてくるようです。いくつかの物語と視点で多面的な構成になっているお話が、クライマックスに向けて加速していく展開は圧巻でした。
読了日:4月10日 著者:薬丸岳
神の子 下神の子 下感想
ムロイの目的が見えてこなくて、そこが知りたくて引き込まれて、え?もう残り少ないよ?って感じで読了。その辺りについては若干弱いかなとも思いますが、それを差し引いても引き込まれて面白い読書でした。町田の孤独を思うと、前原家に移ってから、控えめだけど少しずつ人間味を帯びてくる町田がよかったです。エピローグも個人的には好きな感じ。
読了日:4月8日 著者:薬丸岳
神の子 上神の子 上感想
最初、少年院、法務教官、あ〜キツい話になりそうと思っていたのですが、途中から想像していたような展開ではなくなり、ちょっと群像劇っぽい雰囲気になってきました。何となくああなってこうなるのかなと予想できる部分もありますが、どんな結末に向かうのか、下巻も楽しみ。
読了日:4月6日 著者:薬丸岳
パラドックス13 (講談社文庫)パラドックス13 (講談社文庫)感想
東野作品には珍しいジャンルかな。SFパニック物という感じでしたね。得体の知れない現象、先が見えない絶望的な状況、グイグイ引き込まれました。「天は自ら助くる者を助く」、極限まで追い詰められても生きることを諦めてはいけないという強いメッセージを感じました。
読了日:4月4日 著者:東野圭吾

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