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ドン内田一派の「政活費」を暴く! 〈都議会自民党の「政務活動費」「政治資金」にメス〉 小池の天敵 〈川井〉議長に疑惑の〈黒塗り領収書〉

 投稿者:東京新報  投稿日:2016年10月 6日(木)13時16分1秒
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  ドン内田一派の「政活費」を暴く!
〈都議会自民党の「政務活動費」「政治資金」にメス〉
小池の天敵 〈川井〉議長に疑惑の〈黒塗り領収書〉


莫大な法人税収を基に知事、議員、職員が恵まれた待遇を享受してきた東京都。だが、チェック機能が働いてこなかったのは、最近の都政混迷を見れば明らかだ。今、全国で噴出する政務活動費を巡る問題。情報公開資料から都議たちのカネを徹底検証してみると――。

 九月二十八日に開会した都議会第三回定例会。小池百合子都知事(64)が提出するのが、期末手当を含めた知事給与の半減案だ。これにより小池氏の年収は約千四百五十万円となるのに対し、都議の年収は約千七百万円と知事を上回る。

「もともと都議の給料は、全国トップ。それに加えて、第二の報酬と呼ばれる政務活動費が月六十万円。さらに、都議会が開かれると一日一万円の『費用弁償』も支払われます。言うまでもなく原資は税金です」(都政担当記者)
 今、全国で政活費を巡る不正が次々に明るみに出ている。富山市議会で、領収書の金額を加筆するなど悪質な手口が発覚して市議十二人(四日現在)が辞職に追い込まれた。過去にも野々村竜太郎兵庫県議(当時)が政活費で架空の日帰り出張を繰り返し、詐欺罪での有罪が確定している。
 五輪や築地市場の豊洲移転など重要案件を抱え、七兆円を超す巨額予算を握る東京都。その議会を仕切ってきたのが、“都議会のドン”内田茂氏(77)率いる都議会自民党である。小誌は、与党として都政を牛耳ってきた都議会自民党の政務活動費や政治資金を徹底調査した。
「都議会自民党は一五年度に政活費を四億二百万円受け取り、そのうち約三億九千万円を支出している。執行率は九七・六七%に上ります」(自民党都議)
 実は、東京都議会は政務活動費の情報公開に及び腰なことで知られる。ネットでの公開はしておらず、支出先が個人であれば、金額、相手の名前は黒塗りで、公開する必要はない。まさに、“ブラックボックスマネー”なのである。

個人と会社で筆跡が同じ

 政活費の支出先をチェックしていくと不可解な領収書が見つかった。川井重勇都議会議長(68)の“黒塗り領収書”である。
「川井氏はもともと反内田派の急先鋒でしたが、内田氏が都連幹事長になった頃から距離を縮めた。議長にも据えてもらい、内田氏には頭が上がりません。ただ、議長にもかかわらず、議会中に居眠りする場面も目撃されています」(都連幹部)
 川井氏と言えば、都知事就任直後の小池氏との握手を拒否した場面がテレビで流れ、一躍有名になった。川井氏は当時、小誌に「一カメラマンの要望にいちいち私が応えていくというのも難しい」と答えている。
 その川井氏は二〇一二年一月以降、映像制作会社「(株)クラックアップ」に対し、政活費からサイト管理費などの名目で約百二十四万円を支出している。
 だが、クラックアップからの領収書と、同じ日付で同じ筆跡の領収書が別にあるのだ。その名目は、アルバイト代となっており、個人宛のため、支出先や金額が黒塗りになっている。
 富山市議会のように、川井氏側が領収書を自ら書いた可能性も否定できない。
 領収書にあるクラックアップの所在地を訪ねた。そこは古いマンションの一室で、同社の存在を示すものは見当たらなかった。登記簿に記載されている代表取締役A氏の自宅も訪ねたが、A氏の母という女性が「何も知らない」と答えるばかり。
 川井氏を直撃した。
「両方とも本人が書いた領収書。Aさんにはアルバイトで運転をしてもらったり、HPをいじってもらっているの。僕はその会社が移ったってこと知らなかったよ。いま言われるまで」
 A氏は、ある時は会社として川井氏のHP管理の仕事をし、ある時は個人として運転手をしているというのだ。
 川井氏を取材した翌日、A氏から連絡があった。
「会社としてウェブ管理をやり、僕個人で月に数回事務所に行って手伝いをしています。会社は六月に移転しました」
 神戸学院大の上脇博之教授はこう首を傾げる。
「会社の代表取締役を務める人間が、なぜ個人として運転手の仕事を請け負うのか不可解です。しかも、個人宛は本当にA氏なのか、金額がいくらなのか、客観的に確認することができない。都議会の政活費がブラックボックスであることを象徴するケースです」
 四日の代表質問で「知事の側こそブラックボックスだと言える」と小池氏を批判した都議会自民党幹事長の高木啓都議(51)のカネの使い途にも疑問が残る。猪瀬直樹都知事(当時)の徳洲会事件の際、「人間としておかしいっていっているんだよ」「都議会の恥」などと委員会で厳しく追及した人物だ。
「これで猪瀬氏嫌いの内田氏からの評価を上げた。北区選出の高木氏は、公明党の太田昭宏前代表の後釜(衆院東京十二区)を狙っています」(前出・都連幹部)
 内田氏の覚えめでたい高木氏だが、政活費から会費を出した新年会の回数が都議の中で突出している。
 一四年=八十四回、一五年=八十二回、一六年=九十九回で、一日八軒ハシゴする日まであった。支出額は三年間で約百五十三万円。新年会への支出を容認しているのは、自民と公明だけだ。
「『選挙の時によろしく』という顔つなぎだとしても、本来は議会活動に使うべき政活費を選挙活動に使っており、不適切です」(前出・上脇氏)
 支援者によれば「お酒は飲まないが、夜の店は好きなタイプだ」という高木氏。
 事実、政治資金収支報告書を調べると、“夜の店”への支出が見つかった。
 高木氏が代表の自民党東京都北区第八支部は一三年八月十九日、新宿のライブバー「A」に二十万円を支出。同年十月二十五日には銀座のクラブ「R」に十二万四千円、十一月十九日にも「R」に七万円支出しているのだ。いずれも「政策懇談会」名目での支出だ。

「ウチは女の子が二十人ほど在籍する高級会員制クラブです。高木先生は月一回くらいは来てくれます。女の子からは『啓ちゃん』と呼ばれている。『頭のいい娘をつけてくれ』と言っています。宇田川(聡史都議)先生を連れてくることも多いですが、政策の話をしているのは見たことがありません」(R関係者)
 高木氏はこう弁明する。
「新年会は他にもその三倍ぐらいありますんで。意見交換、広報広聴活動です。(クラブは)政策の活動の続きでそういうところに行って、お話をすることはよくあることなので。(接待する女性は)そういう子はいたんじゃないかな。適切に処理したいと思います」
 過去には、安倍晋三首相、野田佳彦前首相の政党支部や政治団体がクラブ、キャバクラなどでの支出を、「女性が接客する店であり、政治活動にあたらない」として、返金している。

宇田川氏「そういう細かい話」

 高木氏と共にクラブ通いしているという宇田川氏(52)。都知事選当時の都議会自民党幹事長で、小池氏が内田氏、高島直樹氏、川井氏とともに「絶対許さない」と語っていた人物だ。
「上から目線で有名な都議です。記者に対しても『もう質問ないの? ないなら帰れよ』と吐き捨てることも多い。父親が都議、衆院議員の二世で、東京十六区の大西英男衆院議員の後を狙っています」(前出・都政担当記者)
 その宇田川氏が会長を務めるのが、「都議会自民党八ッ場ダム事業推進政策研究会」。一四年十一月十一日から一泊二日の日程で十七名が八ッ場ダムを視察しているが、政活費から約五十万円が支出されている。
 だが、その報告書を見ていくと、実態は舛添要一前知事並みの“温泉旅行”なのだ。
 往路はバスガイド付きの「はとバス」で「都内~伊香保~草津」のコース。八ッ場ダムを“視察”した後、宿泊先は源泉掛け流しの温泉が自慢という「露天風呂 水車の宿 山木館」に宿泊。寛文元年創業の老舗で、二人部屋でも一人二万円前後の高級旅館だ。復路は新幹線のグリーン車で帰京した。
 参加した都議が明かす。
「研究会の活動は年に一回の現地視察だけ。宇田川氏は世界中のダムに詳しいダムマニア。宿の選定は最終的に宇田川氏が了解しているはずです。食事の後は、旅館の中で『もう一杯やろうか』と宴会をしましたが、酒代は政活費から外している。一五年も、はとバスとグリーン車で別の温泉旅館に泊まりました。この手の研究会の問題は会計が曖昧なこと。視察報告書も議会に提出されていません」
 宇田川氏は、得意の“上から目線”でこう答えた。
「八ッ場ダムに行った時は、宿泊場所はあそこしかないんだよ。現地に泊まってこそ、(地元の)皆さんと意見交換ができる。グリーン車も規則に則ってやっているつもりだからさ。あまり(疑惑)ありきで追及してもさ、ルールの中でやっているから。そういう細かい話をするほど、ネタがないの? 正確に伝えて下さい。斜めから見ないで」
 前出・上脇氏が呆れる。
「報告書も議会に提出していないのであれば、実質的に観光旅行ではないかと疑われても仕方ありません」
 都連新幹事長に就任した、“二代目ドン”こと高島都議(66)。小誌の取材には以前「下村(博文)都連会長がいらっしゃるから、内田先生と相談したりしない」と言っていたが、今も内田氏と連絡は取っているという。
 その高島氏の政治資金収支報告書からは、地元の再開発計画に関係する企業からの巨額献金が浮かび上がった。
 足立区関係者が明かす。
「〇〇年代前半、千住大橋駅前にある化粧品メーカー・ニッピの工場跡地などの再開発計画が動き出しました。高島氏は当初、再開発慎重派にも寄り添っていたのですが、その後、再開発の旗振り役となりました。〇六年にニッピの関連会社が足立区などとまちづくり協定を締結。ニッピは再開発プロジェクトの進展で、収益基盤の強化を狙っていた」
 その頃、ニッピは高島氏が代表の自由民主党東京都足立区第三支部への献金を始める。まず、〇五年に三百十万円を献金。以降もニッピや子会社のニッピ都市開発名義で献金を続け、その総額は十年間で千二百七十万円にのぼる。
 一四年、工場跡地に大型商業施設がオープン。高島氏は一六年八月現在、ニッピの顧問も務めている。
「ニッピは高島氏への企業献金額の三割近くを占める年もある。高島氏にとって最大のスポンサー企業と言えます。幹部は高島後援会にも入っている」(同前)
 ニッピはこう回答した。
「(高島氏は)計画当初より賛同されています。地域のパートナーとして最も相応しい方と認識しています」
 高島事務所の回答。
「当初から地域のまちづくりとして高島も賛同していたところであり、『賛成に転じた』という指摘は事実と異なります。あたかも政治献金を受けたことで態度を変えたかのような事実無根の質問は遺憾です」
 もちろん、ドンの存在感は政活費にも示されている。
 内田氏が役員を務める東光電気工事。都議会自民党は一四年二月に「一三年七月改選に伴う控え室工事による、インターネット回線工事代金」として政活費から約二十四万円を東光に支払っていた。

政活費が都議親族に還流

 政活費を調べていくと、同じような手口で都議の親族に還流されていることもわかった。
 内田氏は一四年六月以降、政活費から計百三十八万円を事務所費として「(有)トリート企画」に支出している。
 トリート企画の代表取締役は内田氏の次女夫婦で、事務所の土地・建物の所有者も次女夫婦だ。
 同じく川井氏は一一年四月から五年間、政活費から計七百五十万円を事務所費として「(有)ホワイト」に支出。ホワイトの代表取締役は川井氏の兄の妻で、事務所の土地・建物の所有者は川井氏の兄だ。
「都議会の内規では、事務所費について『賃貸借を業として行っている場合は親族の会社でも支出可』と“抜け道”が用意されています」(前出・自民党都議)
 ただ、都議自身が所有する物件への賃料支払いに政活費を充てることはできない。そこで、登場するのが会派「都議会自民党」の支部を利用したスキームだ。
 高島氏は復活当選した一三年八月以降、計百五十五万円を事務所費として政活費から支出している。支出先は黒塗りだが、領収書の宛名は「都議会自民党」だ。
「高島氏が都議会自民党の支部に自身が所有する自宅兼事務所を貸している形だが、これも都議会の内規で認められている」(同前)
 小誌に以前「僕はそんなに飲まないし、二日酔いは二十年間ない」と豪語していた高島氏。日曜夜、言葉とは裏腹に酩酊状態で帰宅したところを直撃した。
――事務所費は税金の還流ではないか。
「(かすれ声で)誤解を受けないように今年三月からやめています。あの素面(しらふ)の時にちゃんとやりましょ」
 その二日後、高島氏から「ご指摘の件は様々な意見があると聞きましたので、今年四月から会派事務所家賃については政務活動費での支払いを止めております」と文書で回答があった。
 宇田川氏も高島氏と同様、都議会自民党を介在させることで、自身の父・芳雄元都議が所有する事務所に毎月十万円、五年間で計六百万円を支出していた。
 都議四人が親族に還流させた政活費は計一千六百四十三万円にのぼる。
「税金が身内に還流しているという意味では、舛添氏と実質的には変わりません」(前出・上脇氏)
 豊洲同様、都議会自民党は“ブラックボックスマネー”の説明責任を果たすことが求められている。

「週刊文春」2016年10月13日号
 
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