軍事用無人機で共同宣言 45カ国が参加
【ワシントン会川晴之】米国務省は5日、軍事用無人機の輸出や使用規制に向けた国際的な協議の開始を訴える共同宣言を発表した。宣言には米国のほか、日本やドイツ、英国など計45カ国が参加した。一方、無人機を最も多く輸出するイスラエルや、ロシア、中国などは参加を見送った。国務省のトナー副報道官は、2017年春に賛同国が参加する「作業部会」を設置し、新たな国際的な基準作りを進める方針を示した。
技術革新を背景に、軍事用無人機は世界各地で製造されている。欧米諸国や中露、イスラエルなどの軍事先進国だけでなく、イランや北朝鮮も保有。イランは今月1日、捕獲した米国の無人偵察機を基に、高性能の爆撃能力を備えた新型無人機を製造、その量産に成功したと発表した。
米国は、軍事用無人機がテロリストや国際的な組織犯罪などの手に渡れば脅威が増すと懸念。輸出や移転、使用に関する国際基準を早期に作り、不拡散態勢を築く狙いがある。既に存在する国際的な軍備管理の枠組みなどに準じ、軍事用無人機についても新たに「行動規範」を制定し、輸出や移転などをする際の報告や事前通知などで、取引の透明化を図ることを目指す。