実際は弥勒菩薩だった 広島・福山市教委が名称変更
広島県福山市教委が1993年に重要文化財に指定した木造の大日如来坐像(ざぞう)が、実際は弥勒菩薩(みろくぼさつ)坐像だったことが判明し、同市教委は5日、名称を「木造弥勒菩薩坐像」と変更した。市教委は「指定当時の調査が甘かったと言わざるを得ない」と平謝りだ。
仏像は、9世紀に空海が開いたと伝わる真言宗の古刹(こさつ)「明王院」にある五重塔(国宝)に安置されている。市は93年の調査で、印の組み方などから大日如来と判断していた。
しかし、2005年に調査した広島大の研究者が、手のひらの中央に直径1.5センチの穴があるのを確認。宝塔を持っていた痕跡と推測した。五重塔の屋根に「弥勒菩薩と結縁(けちえん)するため建立された」と刻銘されたなどの状況からも「弥勒菩薩なのでは」と指摘があったという。【目野創】