国内PC販売シェア2位の富士通が、レノボとの間でPC事業を統合する方向で調整を進めていると、NHK、日経新聞などが報じました。ただ記事執筆の時点では、富士通は「まだ発表した事実はない」としてこれを否定、レノボもコメントを控えています。

富士通は2015年に東芝、ソニーから独立したVAIOとの間でPC事業統合の交渉が続いているとされていたものの、今年になってVAIOが交渉から外れたと伝えられ、その後具体的な進展もないまま白紙撤回となっていました。とはいえ、富士通はすでに事業計画としてPC事業の切り離しを決定していたことから、2016年春にはPC事業を受け持つ富士通クライアントコンピューティング株式会社を設立していました。

NHKなどによると、統合後も富士通のブランドは継続し、富士通が持つふたつの生産拠点についてもそのまま維持するとのこと。製造部門はレノボに統合するとはいうものの、それで調達や生産効率がどれほど向上できるのかはよくわかりません。

レノボの立場から見れば、すでにレノボ・NECとして国内シェア1位の座を確保しており、2位の富士通を統合することで日本国内での足場固めをすると伝えられます。すでに1位を獲っているのにまだ足場固めが必要なのかといった印象ですが、富士通との統合が実現すれば国内PCシェアはレノボ・NEC・富士通で40%を超えそうです。

そして、われわれユーザーの目線からすれば、富士通がレノボと統合すると量販店に並ぶPCのほとんどがレノボ関連製品という未来がやってくることになりそうです。

なお富士通はこの報道に対して「発表した事実はない」としつつ、「事業成長に向けて本件を含め様々な可能性を検討」しているとのこと。またレノボは「当社発表以外の報道についてはコメントしない」とコメントしています。
富士通がレノボとPC事業統合で調整中の報。両社は「発表した事実はない」「ノーコメント」。春にはVAIOらとの統合断念
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