記事詳細
ノーベル化学賞は欧米の3氏 分子機械を設計、合成
【ロンドン=岡部伸】スウェーデン王立科学アカデミーは5日、2016年のノーベル化学賞を、フランス・ストラスブール大のジャン・ピエール・ソバージュ名誉教授(フランス出身)、米ノースウェスタン大のフレイザー・ストッダート教授(英国出身)、オランダ・フローニンゲン大のベルナルド・フェリンガ教授(オランダ出身)の3氏に授与すると発表した。6年ぶりとなる日本人の受賞はならなかった。
王立科学アカデミーは、授賞理由について、「分子機械を設計および合成した」功績によるものとしている。
3氏は分子が知恵の輪のようにつながったものや、酸・アルカリ度の変化でスイッチのような動きをするロタキサンをつくりだすことに成功した。
このほか分子機械には、光を照射することで、モーターのような動きをする「分子モーター」などがあり、センサーや蓄電池などに利用できることが期待されている。
授賞式は12月10日、ストックホルムで開かれる。3氏には賞金計800万スウェーデンクローナ(約9500万円)が贈られる。