原爆直後の長崎 バーチャルリアリティーで小学生が学習

原爆直後の長崎 バーチャルリアリティーで小学生が学習
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原爆の悲惨さを子どもたちにより深く知ってもらおうと、バーチャルリアリティーの技術で原爆投下直後の長崎市の様子を立体映像で見ることができる教材が開発され、4日、初めて市内の小学校の平和学習に使われました。
この教材は、長崎大学教育学部がおよそ10年かけて開発し、4日、初めて長崎市の蚊焼小学校で5年生の平和学習の授業に使われました。

子どもたちはまず、位置情報を記録する専用のアプリが入ったタブレット端末などを持って、多くの児童が犠牲になった旧城山国民学校や平和公園など爆心地付近を1キロ余り歩きました。

このあと、教材のシステムがある追悼平和記念館に移動し、歩いたのと同じ町並みの原爆投下直後の様子を、特殊な眼鏡をかけてバーチャルリアリティーの立体映像で見ました。子どもたちは実際に歩いた場所が、原爆の投下で跡形もなくなった映像に驚いていました。授業を受けた男の子は「原爆について本などで勉強してきましたが、立体的な映像で見るとリアルな感じがして驚きました」と話していました。

教材を開発した長崎大学教育学部長の藤木卓教授は「バーチャルリアリティーの映像には遺体などは映っていないので、子どもたちにショックを与えることもない。平和教育の場で活用してほしい」と話しています。