台風18号の直撃を受けた沖縄県久米島町で、町内4カ所の車エビ養殖場のうち1カ所で約70万匹が酸欠のため死んだことが5日、分かった。停電が長引き、エビに酸素を供給する機械が動かせなかったことが原因。養殖業者によると、出荷額換算で3千万円以上の被害とみられる。停電は一時、町内全域3660戸に及んだ。

台風18号による停電で、車エビのいるいけすに酸素を送れず、約70万匹が酸欠死した養殖場=5日、久米島町(比嘉正明通信員撮影)

 久米島町の農水産業の被害額は同日時点で5689万円に上った。車エビ被害など未集計分があるため、総額はさらに膨らむ。屋根や窓が壊れる一部損壊が住宅79件、公共施設6件、車庫・倉庫13件。全壊は車庫・倉庫で3件。船19隻、車4台も一部が壊れた。

 県は同日、第2回県災害対策本部会議(議長・翁長雄志知事)を県庁で開き、各部局長が本島地域を含めた被害や今後の対応策を報告した。

 県農林水産部によると、被害額は農林水産業8462万円。農業でサトウキビを中心に7657万円、水産業で陸揚げした漁船が倒れるなど500万円としている。地域別では、久米島町5689万円、本島南部1364万円、本島北部1114万円、本島中部295万円となっている。

 空路は、5日午前10時現在、国内・国際線合わせて335便が欠航し、3万5944人に影響があった。クルーズ船は1便が欠航し、1500人に影響が出た。本島や久米島町の学校13校でガラスやドアの破損などがあった。