「働き方改革」に見える「ゆとり教育」と同じ轍

そもそも少子高齢化は克服すべき問題なのか

どのような働き方が望ましいのでしょうか(写真 :わたなべ りょう / PIXTA)
「働き方改革」に注目が集まっている。安倍晋三首相が「今後3年間の最大のチャレンジ」と断言。労働のあり方やその価値観、生活に変革がもたらされつつある。これらは単に人々の生活を豊かにするためではない。「低成長社会」や「労働力人口の減少」などの日本の抱える問題が根底にある。
しかし、この変革によって、さらに労動者の首を絞める可能性もあるのではないか? いったいどのような働き方が望ましく、国家はどのような役割を果たすべきか?『ルポ 父親たちの葛藤 仕事と家庭の両立は夢なのか』(PHP研究所)の著者である育児・教育ジャーナリストおおたとしまさ氏との公開対談の模様をお届けしよう。

安倍政権の「一億総活躍プラン」に抱く違和感

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常見 陽平(以下、常見):「一億総活躍プラン」には、「国民が総活躍しないと日本はやっていけないんだ」という素朴な疑問があります。

おおたとしまさ(以下、おおた):労働意欲のある男性や女性が働けることはいいことです。しかし、今は「働く意志や能力がなくても、日本国民全員が働かないといけない」みたいな風潮になっている。日本は「少子高齢化に伴う労働力人口の減少」という問題を抱えているから、今のうちにみんなで戦える体制を作っていこうという趣旨であることはわかるんですが。

常見:おおたさんは以前「一億総活躍プランの違和感」についてまとめていましたよね。

おおた:今年6月2日に閣議決定された「一億総活躍プラン」を読んでいくと、まぁ「霞が関ポエム」みたいな文章が並んでいてツッコミどころ満載なんです。たとえば、この文章がそう。

「力強く日本の経済が成長していくとともに、その成長という手段を使って、国民みんながそれぞれの人生を豊かにしていくことを目指していく」

要するに「日本の経済が成長しないと、お前らの豊かさはないぞ」と。国の役割は経済をリードするより、経済がうまくいかない時こそみんながなんとか生き延びられるような社会を作っていくことではないのかと僕は思っています。だから、閣議決定するような文章にこのような理屈が書かれることにちょっと驚きです。

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