挙式、披露宴、パーティ……ウエディングのセレモニーには、大人のスタイルと振る舞いが求められる。礼を失することなく、祝福の気持ちを伝える。そんな大人のマナーを紹介しよう。
Photos: Tsukuru Asada Words: Kosuke Kawakami
Hair & Make-up: Akira Yamada Styling: Masaaki Ida
Direction: Mitsuyasu Hashida
GQ流 ウエディングセレモニーのマナー7カ条
1、無難すぎる“礼服”を卒業すべき
2、挙式はシルバータイで厳粛に
3、レザーのセレクトに注意すべし
4、披露宴は“両家”の祝いの場と心得るべき
5、ご祝儀のルールを守るべし
6、パーティには華やかさをプラスすべし
7、ギフトや招待状の“常識”を知るべし
冠婚葬祭は、大人の常識が問われる場だ。こちらにそんなつもりがなくとも、ちょっとしたことで失礼と受け取られ、知らず知らずのうちに「非常識な人間」のレッテルを貼られてしまうこともある。
特にウエディングは、ハッピーな場のため、出席する側も「これくらいなら」と思ってしまいがちだ。
祝福の気持ちから思い切り派手な格好をしてみたり、「普段着でいいから」と言われて本当に会社に出かけるようなスーツで行ったり……。若いころ、そんな“痛恨のミス”をおかした記憶がある人もいるのではないだろうか。
若いころなら、それも笑ってすませられるかもしれない。だが、大人としてはどうだろうか。自分が恥をかくだけならまだしも、常識のない人間をその場に招待した主役に恥をかかせてしまうようなファッションや振る舞いは、絶対にNGだ。
今回は、ルールを守りつつも、さりげなくセンスをアピールするGQ流ウエディングセレモニーのマナーとドレスコードを紹介する。ちょっと面倒だと思うかもしれない。だが、その手間を惜しまないことが相手への敬意の表明でもある。心からの「おめでとう」を伝えるために、大人のマナーを心に刻み込んでおきたい。
1、無難すぎる“礼服”を卒業すべき
百貨店の紳士服売り場やスーツ専門店などで販売されている“礼服”は、冠婚葬祭どんなシーンにも対応できる便利なアイテムであり、それさえ着ていれば少なくとも失礼にあたることはない。だが、せっかくの祝いの場。何年も寝かせているようなトレンド無視のファッションでは、逆にセンスを問われかねない。最近は、ブラックスーツであれば、失礼にはあたらないとされている。控えめな光沢があり、生地に表情のあるスーツは、ウエディングに最適。しかもVゾーンのセレクトでビジネスシーンにも転用できるという利点もある。「普段着のブラックスーツでウエディングにでかける」のではなく、「ウエディングにもつかえるブラックスーツを選ぶ」という視点で、新しい1着を手に入れたい。