全面協力のはずの石原氏 一転、ヒアリング拒否
豊洲市場の盛り土問題で、調査に協力する意思を示していた東京都の石原慎太郎元知事が5日、一転して、都のヒアリングを拒否する意向を小池百合子知事側に伝えてきたことが関係者への取材で分かった。
石原氏は2008年5月の記者会見で建物下にコンクリートの箱を置く案に言及し、当時の中央卸売市場長の比留間英人氏に検討を指示した。石原氏の案は採用されず、比留間氏は「石原氏の指示が、盛り土がされなかったことに影響はしていない」と説明した。
一方、石原氏は盛り土問題発覚後の9月21日、報道陣に「私の知事在任中の件で、誠に申し訳なく思っている。都の調査に全面的に協力するつもりだ」とのコメントを出した。
その後、都側に「ヒアリングを受け情報提供する」との考えを伝えていた。小池知事も石原氏の在任中の判断や指示、都幹部から報告を受けた際の状況などを聞き取る意向を明らかにし、「早ければ10月中に日程を設定する」と述べていた。【円谷美晶】