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プロローグ「現代猫の幻想入り」
初めまして、饅頭怖くないと申します。今回処女作を投稿させて頂くことになったのですが、
文才もなければアイデアの引き出しも少ないので
拙い出来になっているかと思われますが、どうか生暖かい目で見てやってください。
また、プロローグはまだ粗削りな所があるのでたまに修正するかと思われます。ご了承下さい。
なるべく原作重視にはしようとしますが、独自解釈や
一部二次設定などが出て来る可能性があります。そういったものが苦手な方はご注意ください。
「そろそろ、この風景にも飽きて来たな」
僕はそう呟き立ち上がる。
辺りには木や草などが生い茂っている。それもそのはず、ここは山中だからだ。
僕が何故こんな所にいるかっていうのは、
僕が猫の妖獣で人間の街から離れた所で暮らしているからだ。
しかしもうここに来て数十年。同族もいないし同じような風景が続くし、
そろそろ飽きが来る頃だ。実際来てるし。
で、久しぶりに麓の方に降りてみようかと思い、さっきのような事を言ったわけだ。
ともかく、僕は麓へ向かって歩き出す。…が、その結果…
「…あれ?」
迷ってしまった。無闇に動き過ぎたのがいけなかったか…
でも数十年も山、それもほぼ同じ場所に籠りっぱなしだったら遠出したくもなる。
動きたくもなる。…その結果がこの有様だけど。
それにしてもおかしいな。この辺りの地形はそれなりに把握してる筈だったけど、
何故か知らない地形が続く。違う方角にでも歩き出してしまったか?
そんな事を考えながら木の根を踏み越え茂みを掻き分け進む。
「ここは…?」
やがて数時間歩き続けた所で開けた場所に出た。
辺りに目をやると神社らしき建物が目に映る。
この辺りに神社なんて無かったはずだが…麓の方まで来てしまったか?
なるべく人間には会いたくないし仕方ないから引き返そうか。
歩いてればその内元の場所に戻れるだろうし…
「誰?」
「うわっ!?」
びっくりした。誰かに声を掛けられた。声の主へと視線を向けると、
そこには紅白の巫女服のようなものとリボンを身に付けた女の人が立っていた。
多分この神社の巫女…なのかな?
「あ、えっと…」
言葉に詰まってしまう。
僕は数十年間ずっと人と話したことがなく、
会話に慣れていなかったのだ。
「大丈夫、異変の時以外は無闇に退治しないから」
「う、うん…?」
退治…?と思いつつ多少たどたどしく返事をする。
次は何を言うべきか、と考えていると彼女が喋りだす。
「名前は?」
「僕は…霜月楓だよ」
こんな感じで良いのだろうかと多少の疑問を抱きつつ僕は返事をする。
やはりたまには人と話すべきだったか、と多少後悔した。
と言っても、人と話す機会など無かったのだけど。
「君は…?」
「私は博麗霊夢。この博麗神社の巫女よ」
博麗神社…聞いた事あるような無いような名前だ。
…あと、ここが何処なのか気になる。この辺りに神社なんて無かったはずだ。
少なくともこんなに人気がないのは。
「そう言えばここはどこ?」
「どこ…って言うと幻想郷の端の方としか答えられないわね」
幻想郷か。聞いた事無い場所だな…
大層な名前付いてるけど変わった所があるのだろうか?
「幻想郷?」
「え?もしかして幻想郷を知らないの?」
知らないも何も、元より人間に関しての知識はそんなに無い。
地名などはそれの二の次なので、勿論それも知らないわけだ。
「うん。僕ずっと山に籠ってたから外の事はよく知らなくて…」
「じゃあ、説明するわ」
霊夢は僕に幻想郷がどんな場所か説明をしてくれた。
幻想郷では僕のような妖怪(妖獣)と人間が共存していると言う事、
この場所は特殊な『結界』というもので外の世界と隔たれている事、
そしてその結界は博麗神社の巫女が管理している事。
その後、霊夢はこう言う。
「えーと、じゃあ弾幕ごっこやスペルカードは知ってる?」
弾幕ごっこ…スペルカード…やっぱり知らない。人間に関してまだ知らない事が多いなぁ。
今後一切人間と関わる事は無いと思って勉強を怠ったのがいけなかったか…
「弾幕…すぺるかーど?」
「…やっぱり知らないのね」
霊夢は少し驚いたような表情を見せた後、少し何かを考える。
やがて答えが出たのか、僕に顔を向ける。
「ちょっと待ってて」
そう言うと霊夢は神社の中に入っていく。
暫くして出てくると、再度話しかけて来る。
「待たせたわね」
「何しに行ったの?」
「ちょっとある人…いや、妖怪と話して来たわ」
ある妖怪って誰だろう?…いや、やめよう。
考えてもよく分からないだろうし。
そんな感じに思っていると、霊夢が口を開く。
「えっと、まず状況を説明するわね。大事な事だからよく聞いてて」
「あ、うん」
霊夢は神妙な面持ちで話す。
そして、こう告げて来る。
「貴方…楓は、幻想入りしたのよ」
「幻想…入り…?」
…なんか僕の勘が面倒な事になりそうだと伝えて来る気がする。
その予感が見事に的中するとはこの時思っていなかったけど。
「さっきも説明したように、幻想郷は結界に覆われているわ。」
「それによって通常外からはここに来られないようになっている。」
「でも楓はそれをすり抜けてここへ来てしまった。」
「と言うと?」
「楓が本来こちらにいるべき存在だからよ」
ここにいるべき存在…妖怪やそれに類する者。
僕は妖獣で、あちらに居るべきでないと。
「つまり、妖獣…?」
「そうね。本来幻想入りは逆に外にいるべき人間がこちらへ流れ込んでしまう事を言うわ。」
「でも楓の場合、『幻想帰り』…といった感じかしらね」
「まあつまりは、普通外の世界に妖怪が居る事はあり得ないという事よ。」
「そういうわけだから、私達にとって重要な事なわけ」
にわかには信じがたいけど、人間的には僕が非現実的な存在だというのは分かってるし、
まぁそういう話もあるんだろうな、と思う事にしよう…
「…頭痛くなってきた。」
「…この辺でやめておく?」
「暫くは帰れそうにない…というより帰っちゃいけないって話だろうし、後からいくらでも説明は聞くよ」
うん、道に迷った挙句いきなりこんな事言われたら誰だって疲れると思う。
というわけで、今はちょっと休みたい。
「分かったわ。…大事な話とは言え疲れさせちゃったし、お茶でも飲む?」
「あ、じゃあ頂きます」
こうして、幻想郷での生活が始まったのだった。
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