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8県警、処分内容不明 開示基準バラバラ

開示文書だけでは法令違反の疑いがあるか判断できなかった懲戒処分事案(2015年)

 警官らへの懲戒処分が法令違反の疑いがあるにもかかわらず未発表だった問題で、情報公開制度に基づく処分の開示内容が都道府県警によって大きく異なることが4日、毎日新聞の開示請求で分かった。処分事案の具体的内容が不明で法令違反かどうかを確認できないケースが2015年で8県警にあり、専門家は「警察庁が明確な情報開示の基準を設けるべきだ」と指摘している。

 毎日新聞は警察庁と47都道府県警に、15年の1年間に出された懲戒処分を記録した文書について、情報公開制度に基づき開示請求した。懲戒処分のなかった5県警以外が公文書を開示した。

 開示文書だけでは法令違反に該当するか判断できない処分事案は茨城県警で4件、岡山県警で3件、埼玉県警で2件あった。このほか、愛知▽富山▽兵庫▽島根▽熊本−−の5県警が各1件。

 茨城県警は、5件の懲戒処分のうち4件を「私行上の非違事案」とだけ記した。岡山県警も、4件中3件の懲戒処分は「私行上の不適切言動事案」「信用失墜行為」とし、富山県警は2件中1件は「異性に対する不適切行為」とのみ記載した。3県警に詳細の説明を求めたが、いずれも「具体的内容は回答を差し控える」と答えた。

 一方、警察庁や福岡県警などが開示した文書では、事案ごとに処分内容▽処分理由▽被処分者の氏名や階級▽処分執行日−−などが1枚ずつ文書に記され、個人の特定につながる情報は一部黒塗りだが、事案の内容はおおよそ把握できた。

 警察の不祥事に詳しいジャーナリストの大谷昭宏さんは「懲戒処分の文書の『開示度』を巡り、警察によって差が生まれれば、開示基準を都合よく解釈して公表逃れをすることも考えられ、情報公開制度も骨抜きにされてしまう」と指摘。「警察庁がより明確で統一的な基準を示した上で、各警察は不祥事を積極的に公表すべきだ」と主張している。【袴田貴行、安達恒太郎、澤俊太郎】

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