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地下水管理、条件満たさず契約か 共産都議団

水がたまった豊洲市場青果棟の地下。コンクリートが敷設されていない砕石層がむき出しの場所では、深いところで約15センチの水たまりができていた=東京都江東区で2016年9月16日、宮間俊樹撮影

 東京都の豊洲市場(江東区)の地下水管理システムの設計・維持を巡り、共産党都議団の大山とも子幹事長は4日の都議会代表質問で、見積もりの参加条件を満たしていない企業が随意契約で受注した疑いを指摘した。

     都は「会社のパンフレットなどで(設備や実績などを)確認した」として条件を満たし適切と答弁したが、大山氏は「パンフレットに(記載は)なく、会社も(求められている設備が)ないと言っている。契約の経緯について全面調査を求める」と批判した。

     豊洲市場の主要建物下には地下水がたまっている。同システムは今月中旬に本格稼働する予定で、有害物質封じ込めの鍵とされる。

     共産が入手した契約書などによると、都は2012年8月、東京都新宿区の上下水コンサルティング会社に地下水管理システムの設計を随意契約で発注した。契約金額は3750万円だった。

     都は「システムの維持管理及び運転管理計画の作成が可能な唯一の業者」として特命随意契約を繰り返し、今年7月までに少なくとも11件3億570万円分の設計や調査、資料作成などの業務を委託したという。

     最初の設計の業者選定に当たり、都は見積もりに参加する条件として、汚染水の対策検討の実績、地下水流動の解析を行う実験研究施設を所有することなどを提示した。7社が見積もりを出し、途中で辞退した4社を除く3社から新宿区の会社が選ばれた。

     しかし、共産が同社に問い合わせたところ「実験施設は持っておらず、外部に委託している。主業務は上下水道や設計のコンサルティングで(地下水管理は)主力でない」と回答したという。

     共産は、同社が土壌汚染対策法が定める指定調査機関から外れていた11年4月〜15年6月に少なくとも5件1億5707万円の設計・調査業務を受注したことも問題視した。大山氏は「土壌汚染のある地盤特性を踏まえると、地下水管理システムには高度な技術力が必要。指定調査機関であるべきだ」と批判した。【林田七恵】

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