10月04日 18時55分
55年前に三重県で起きた「名張毒ぶどう酒事件」で、再審・裁判のやり直しを訴え続けた、奥西勝元死刑囚が89歳で亡くなって、4日で1年となるのに合わせ、弁護団や支援者が名古屋市内で集会を開き、再審の開始を急ぐよう訴えました。
昭和36年三重県名張市で起きた「名張毒ぶどう酒事件」で死刑が確定した奥西勝元死刑囚は半世紀以上にわたって無実を訴え、再審・裁判のやり直しを求め続けてきましたが、去年10月4日、再審を認められないまま、肺炎のため89歳で亡くなりました。
その後、妹の岡美代子さん(86)が兄の遺志を引き継いで、10度目の申し立てを行っています。
4日は弁護団や支援者が名古屋高等裁判所の前で集会を開き、岡さんが「兄は無罪です。裁判官は訴えを受け止めて真実を判断して下さい。兄の名誉を回復をして欲しいです」と涙ながらに話しました。
集会には21年前に大阪・東住吉区で起きた火事で放火や殺人などの罪に問われ、8月、再審で無罪が確定した青木惠子さんも参加し、「奥西さんが亡くなったと聞いたときは涙が止まりませんでした。
無罪を届けることが天国にいる奥西さんにとって一番の供養になるはずです」と再審の開始を急ぐよう裁判所に訴えました。
弁護団は4日、犯行に使われた毒物が奥西元死刑囚が持っていた農薬とは異なるとする鑑定結果について、専門家の意見書などを新たな証拠として名古屋高等裁判所に提出しました。
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