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 FDA(アメリカ食品医療品局)は9月2日、トリクロサンやトリクロカーバンを含む19種類の抗菌剤を含有する家庭用石鹸には通常の石鹸と比べて優位性が認められないという調査結果を発表した。

 現在市場に存在する40%の石鹸には様々な抗菌剤が使用されている。他にも歯磨き粉や洗剤、リップグロス、デオドラントスプレー、ペット用のシャンプーなどにも使用されているがその効果はどれも疑わしいという。

 効果がないだけならまだしも、抗菌剤には思わぬ落とし穴が隠れているという。FDA出は現在、薬用石鹸にトリクロサンを使用することを禁止しているが、他商品にも適用させる為の調査を進めているそうだ。

 アメリカの科学系サイトで、抗菌剤に関する情報がまとめられていたので見ていくことにしよう。あくまでもアメリカでの報道であることに留意したい。
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 私たちの体には細菌が溢れている。腸内細菌がなければ食べ物を分解する事も出来ないし、皮膚についた細菌の多くは私たちの身体を外敵から守るためについている。

 だがもちろん、私たちの身体をむしばむ細菌も居る。こういった細菌に対して最も有効なのが「石鹸で手を洗う」という行為だ。

 1972年に食品用洗剤として登場したトリクロサンという抗菌剤は、1990年代に石鹸として一般家庭に普及し、多くの人が「殺菌作用がある」という謳い文句に釣られ好んで使うようになった。だが最近になって、その殺菌作用は他の石鹸とまったく変わらない事が判明した。

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抗菌剤により細菌が耐性を持つようになる

 2003年にもなると、多くの家庭でトリクロサンを含む抗菌商品が使用される事となった。調査した2517人のうち75%の人々の尿、血漿、母乳からトリクロサンの成分が検出された。大多数の実験でトリクロサンは人体に有害ではないという結果が出ているが、幾つかの結果でホルモン異常を引き起こした可能性も提示されている。

 トリクロサンなどの抗菌剤を用いる上で最も恐れるべき点は、細菌が耐性を持ってしまう事である。しかもそのメカニズムは、抗生物質が細菌を殺すメカニズムと類似しているのだ。抗菌剤に耐性を持った細菌が、抗生物質にも耐性を持ってしまう可能性は否定できない。

 一度耐性を得た細菌は、その遺伝子を他の種に受け渡す事も出来るのである。そうなるとトリクロサンへの耐性は多くの細菌で共有されてしまうのだ。

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細菌に耐性を持たせることの脅威

 1940年代に抗生物質が発見されたのは奇跡と言えるだろう。当時は小さな傷でさえ命にかかわる問題だったが、今では小さな怪我は抗生物質で治せてしまう事を考えるとその有難さが分かるだろう。

 しかし、過去数十年の間に、抗生物質の多様化の末に細菌は耐性を獲得し、私たちは抗生物質の使い方を今一度見直す段階まで来ている。現在、抗生物質が全く効かない耐性菌が出現によって人類は脅かされているのだ。

 トリクロサンを筆頭にした抗菌剤による細菌耐性を抑える為にも、FDAの明確なルール作りは大切な一歩であると言えるだろう。

via:Why You Should Dispense With Antibacterial Soaps/ translated riki7119 / edited by parumo

抗生物質が効かない「悪夢の耐性菌」、世界的脅威になる恐れ (英専門家)


抗菌石鹸が効果的であるという証拠はない。一部有害成分が含まれているものも。(米食品医薬品局)


未開の洞窟の奥で、現代の抗生物質が効かないバクテリアが100種近く発見される(米ニューメキシコ)


何これ怖い。かもされたくない、人体を壊死させる10種の病原菌


医薬開発に革命が起きるか?「ゲーム・チェンジャー」と評される抗生物質開発の新手法とは?

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コメント

1

1. 匿名処理班

  • 2016年10月04日 14:46
  • ID:FKQaC.C60 #

薬に頼って病を治してる者にとって、その薬に耐性を持たれるというのは菌に対して弱くなっているのと同義だし、元より薬に頼らず治せるのならば余計被害を広げているだけだもんねぇ
人間とは進化スピードも段違いという事を考えても自分の首を絞めているという表現がぴったりだ

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2. 匿名処理班

  • 2016年10月04日 14:47
  • ID:xs2FhpKW0 #

はじめから最善の策を整えるのは難しいけど
常に見直してルールを修正していける体制があるのは大事だな


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3. 匿名処理班

  • 2016年10月04日 15:01
  • ID:icBhIj0e0 #

耐性菌は本当に脅威だと思う。現代医学は「菌は殺せる」が大前提で成立してるんだから、その根底が破壊されるわけで。

家庭用殺菌剤の乱用もそうだけど、農業では広範囲に何回も殺菌剤や抗生物質すら散布するし、畜産業、魚の養殖でも沢山使う。耐性菌は病院で発生してるイメージがあるけど、それだけじゃない。この状況で耐性菌が出てこないはずがないよね。早く規制しないと状況はどんどん悪化すると思う。

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4. 匿名処理班

  • 2016年10月04日 15:08
  • ID:vF5saN3d0 #

台所用洗剤のCMなんかを見ていると、「99%の細菌を除菌できます」とかいううたい文句の洗剤が結構売られてたりしてるけど、そういうにも今回の記事の抗菌剤が配合されているのだろう。

で、問題なのは何かというと、その洗剤をもってしても「除菌できない1%の細菌」は抗菌剤の効かない「スーパー細菌」だということ。

こういう細菌はほとんどの場合には、人間に特別害をもたらさいものだろうけど、中には病院などで集団感染を引き起こす「MRSA」なども含まれているだろうから、恐ろしいものだと思う。

けど、こういう「耐性」っていうのは、細菌だけではなくって、カやハエなど害虫やネズミなどにもあてはまるから、むやみやたらとこういう存在を敵視して「殺そう」としていろんな薬剤を作っていくことで、逆に彼らを「強化」していくことつながっていくから、いろいろと難しい問題を含んでいるとのだと思うけど。

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