もはや失敗した政策 アベノミクスを「加速させる」空疎さ
安倍首相は「アベノミクス加速国会」と位置づけているそうだ。26日に召集された秋の臨時国会。所信表明演説で、首相は「アベノミクスを一層加速し、デフレからの脱出速度を最大限まで引き上げてまいります」と言い切ったが、一体、アベノミクスの何を加速させるというのか。
実質2%の成長目標を掲げたものの、四半期ごとのGDPはプラスとマイナスを行ったり来たり。プラス幅も常に1%未満にとどまっている。昨年の今ごろ、安倍首相は「2020年ごろにはGDP600兆円を実現させる」と豪語したが、実質ゼロ成長続きでどうやって達成させる気なのか。
「GDP600兆円は冗談でした」と言うのなら、また別の問題になるが、本気で言ったのなら、その道筋をハッキリさせるべきだ。
マイナス金利という前例のない政策に踏み切っても、2%の物価上昇率目標には、まだまだ届かない。自身が掲げた目標と実態の乖離を、安倍首相はどう考えているのだろう。いつだって掛け声だけは勇ましいが、常に実績が伴わない。