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【正論】
北朝鮮ミサイル、中国の領海侵入…ただ平和を唱えているだけの「9条」改正こそ不可避の課題だ 駒沢大学名誉教授・西修
私は、政府が事情を知らぬまま、文民条項が導入されたことに憲法成立過程のいびつさが象徴的に表れており、またそこにこそ、9条解釈の混迷の根本的要因があると考える。かかる歴史的事実が共有されることを強く望む。
第2点は、そのうえでわが国の安全保障条項のありようを真摯(しんし)に議論することである。北朝鮮における核実験、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の開発などに見られる差し迫った脅威、中国の国際法を無視した海洋進出や尖閣諸島付近への度重なる領海侵入など、わが国をめぐる厳しい安全保障環境を直視すれば、ただ平和を唱えているだけの9条をそのままにしておくわけにいかないことは自明である。
国際平和の理念を大切にしつつ、わが国の安全をいかに図っていくべきか、国民からの負託を受け、その安全に思いをいたす国会議員が衆知を尽くせば、妥当な改正案を国民に提案できると考えるのだが。(駒沢大学名誉教授・西修 にしおさむ)
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