トランプ財団違法募金 NY州が停止命令
【ワシントン西田進一郎】米ニューヨーク州のシュナイダーマン司法長官は3日、大統領選共和党候補のドナルド・トランプ氏(70)の慈善団体「トランプ財団」が必要な届け出を州にしていなかったとして、資金集めを即刻停止するよう命じたことを明らかにした。財団を巡っては、米メディアがこのほかにも疑惑を報じてきたが、法律違反を明確に指摘されたことで、トランプ氏の陣営にとって痛手となりそうだ。
シュナイダーマン氏が9月30日付で出した書簡によると、州法はニューヨーク州で寄付を募る慈善団体に対し、州当局への登録と年次会計報告書や監査済み財務諸表の提出を義務付けている。しかし、トランプ財団は今年、必要な登録を州にしないまま資金を集めており、州法に抵触したと指摘した。
そのうえで、州内での募金を直ちに停止するよう命じ、年次会計報告書も含めた必要な書類を15日以内に提出するよう要求。提出されなければ「州民に対して継続的に詐欺行為をしていると見なされる」と警告した。
財団を巡っては、資金がトランプ氏の事業に関連する訴訟の和解金の支払いに流用されたり、トランプホテルの広告宣伝費や肖像画購入に支出されたりした疑惑が報じられている。