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【プロ野球】

愛され番長、涙のラス投 プロ野球新記録の24年連続白星はならず

2016年9月30日 紙面から

試合後の引退セレモニーでナインから胴上げされるDeNA・三浦

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◇ヤクルト11−6DeNA

 ヤクルトは4−6の4回、西田と川端の適時二塁打で3点奪い逆転。6回にも山田の二塁打などで3点を加えた。2番手の石山が今季初勝利。DeNAの三浦は最後の登板で7回1死まで投げ、12安打10失点。白星なしのシーズンに終わった。

   ◇

 6回を投げ終えて10失点。ベンチに戻るDeNA・三浦の目は、すでに潤んでいた。「正直ここまでだなと思っていた」。だが、ベンチの指示は「あと1人」。7回もマウンドに登り、先頭の雄平をオール真っすぐの3球勝負で空振り三振。目に涙をため、超満員のファンから大きな拍手と「ミウラ」コールを浴びながらベンチへ下がった。

 通算535試合目は苦しいマウンドだった。6イニング1/3を12安打10失点。「打たれても打たれても、ファンが『次がんばれ』と背中を押してくれた」。ファンの思い、2回までに6得点してくれた仲間の思いを背負い、くじけずに立ち向かった。

◆「18」度宙を舞う

 横浜一筋25年。1998年の日本一に貢献したが、その後の低迷期も経験した。「本当に(スタンドが)ガラガラで苦しい時期もあった。小さな力だけど、横浜を良いチームにしたいと思ってプレーしてきた」。その甲斐あって徐々に観客が増え、若手が台頭したチームの強化も成功。DeNAとして初のクライマックスシリーズ(CS)出場も決まり、「良いチームになった。楽しみ」と笑顔を浮かべる。

 引退セレモニーでは、この日の試合で同じ「18」を背負った後輩たちの手で、代名詞の背番号と同じだけ宙を舞った。通算172勝184敗。新記録達成こそ逃したが、23年連続勝利はプロ野球タイ記録の金字塔だ。

 2014年から投手コーチを兼任しており、今後もチームに同行する。試合後のロッカールームでは「1日でも長く、一緒にユニホームを着て戦いたい」と宣言。主砲の筒香には「日本一になって、もう1回胴上げしてくれ」と頼んだ。「ハマの番長」の夢はまだ続く。 (小林孝一郎)

 

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