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【プロ野球】

高山、阪神新人最多136安打 98年の坪井を越えた

2016年10月1日 紙面から

9回裏1死、投手強襲の内野安打を放つ高山(持木克友撮影)

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◇阪神2−1巨人

 雨上がりの甲子園で拍手と歓声のシャワーを浴びる。塁上に阪神のルーキー・高山の笑顔が浮かんだ。駆け抜けた一塁ベースがトップに立った証しだ。劇的なサヨナラ劇を導き、猛虎史を塗り替えた球団新人安打記録達成の一振り。苦しい展開だったからこそ、彩りも増した。

 「甲子園でこういう数字を打てたのが良かった。厳しい展開で、勝ちにつながる一本になって良かった。笑顔は自然に出ました」

 みんな待っていた。だから打ちたかった。1点を追った9回1死。そこまで3打席は、内海に対して無安打に抑えられていた。それでも、ひるむことなく積極的に打ちに出た。

 「常にどういう投手でもデータはありますけど、9回でああいう展開でしたし、内海さんのままだったとしても、変わらずに打席に入っていたと思います」

 力強くはじき返した初球の変化球。執念が白球に宿る。鋭くはねた打球は沢村の右足に当たって三塁へ。さらに村田も捕球しきれず転がった。投手強襲安打で、1998年の坪井智哉(現DeNA打撃コーチ)の記録を更新する136安打目だ。

 負ければ21年ぶりとなる球団ワースト2位の甲子園37敗目だったが、今季初の6連勝へつないだ。チームとして苦しい戦いが続いた中、到達した新記録が今季の成長を示す。あとは1日の今季最終戦。今季14度目の猛打賞を達成すれば、長嶋茂雄に並ぶ新人最多猛打賞記録となる。

 「正直、今日、3本打ちたい気持ちはありましたけど、明日最後ですし、1年間甲子園で応援してきてくれたので、数字は意識することなく勝てるようにやりたい」と高山。手が届くかどうか。ただ、いずれにしても、そこがゴールじゃないことは分かっている。

 「そろそろ打つころかなと思って見ていました。(3打席無安打からの安打に)それが大事。1死から出て勝ちになるのだから」

 そう言って称えた金本監督は、シーズン後のフェニックスリーグに高山を参加させず、手元に置いて秋季練習で改めて鍛える考え。期待値は高い。まだこれから。目指す場所はずっと先にある。 (道辻歩)

 

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