人民元、SDR入り=「国際通貨体制に変化」−IMF専務理事

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 【ワシントン時事】国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は30日、IMF本部で記者会見し、加盟国に配分する仮想通貨「特別引き出し権(SDR)」に中国の通貨、人民元が10月1日付で加わると宣言した。元はドルや円などに続く5番目の国際決済通貨としての「お墨付き」を得た。

 チャイナドレス風の上着をまとったラガルド氏は、中国の為替制度改革を評価。「中国と国際通貨体制にとって大きな変化となる」と歓迎する一方、「さらなる改革への取り組みが中国と国際経済の安定には好ましい」と述べた。

 SDRはIMF加盟189カ国に出資額に応じて配られ、通貨危機に陥った国は外貨と交換できる。IMFは、元の影響力拡大を目指す中国の要請を受け入れ、昨年11月にSDRへの採用を決めた。

 新たなSDRの構成比率は元が10.92%を占め、ドル(41.73%)とユーロ(30.93%)に次ぐ3位。円(8.33%)と英ポンド(8.09%)を上回る。