有馬
「中国の通貨・人民元。
この人民元が、今月(11月)30日にも、世界の主要通貨になる見通しとなりました。
“主要通貨になる”、これ、どういうことなのか。
キーワードは『SDR』。
ファイナンシャルプランナーの資格を持つ藤田さんが説明します。」
藤田
「『SDR』は、英語の『Special Drawing Rights』の頭文字を取ったもので、日本語では『特別引き出し権』と訳されます。
これは主に、IMF=国際通貨基金の加盟国が万が一の際に緊急の資金を借りることができる権利のことなんです。
SDRは、IMFへの出資額に応じて加盟国に配分されているんですが、例えば、ある加盟国が外貨不足に陥った場合、SDRと引き換えにドルやユーロといった主要な国際通貨をほかの加盟国やIMFから融通してもらえるという仕組みになっています。
いわばSDRは、主要通貨と交換できる『引換券』のようなものなんです。
このSDRと引き換えることができるのは、現在、ドル・ユーロ・ポンド・円の4種類の通貨となっていますが、ここに今回、中国の人民元が新たに加わる見通しとなっているんです。
SDRを、どの通貨で構成するかについては、5年ごとに見直しを行っていますが、中国は以前から構成通貨に人民元を採用するよう求めてきました。
そして、見直しの年にあたる今年(2015年)、IMFは、中国の人民元を5つ目の通貨に加える方針を決定。
今月30日のIMFの理事会で承認されれば、人民元がSDRの通貨に選ばれる見通しです。」