米 シリアめぐるロシアとの停戦協議打ち切り

米 シリアめぐるロシアとの停戦協議打ち切り
アメリカ政府は、停戦が崩壊したシリアをめぐり、ロシアが停戦を守る責任を果たそうとしないとして、これまで米ロで続けてきた協議を打ち切ったことを明らかにし、シリアの内戦の平和的解決がさらに遠のくことが懸念されます。
シリアでは、ロシアが擁護するアサド政権とアメリカが支援する反政府勢力が先月、米ロ両国の仲介でいったん停戦に入りましたが、1週間余りで戦闘が再燃し、アメリカはロシアに対して停戦を維持する措置を取るよう繰り返し求めてきました。

しかし、アメリカ国務省のトルドー報道部長は3日の記者会見で「ロシアは、停戦を守る責任を果たそうともしなかった。それどころか、ロシアとアサド政権は市街地や病院への激しい攻撃に見られるように停戦と異なる選択をした」と述べ、ロシアを強く非難し、停戦を実現するための協議を打ち切ったことを明らかにしました。

これに対して、ロシア外務省のザハロワ報道官は「アメリカは合意を実行できなかったことを誰かの責任にしようとしている」と述べ、責任はアメリカ側にあると主張しました。

アメリカとロシアは、戦闘が再燃したあと、停戦の実現を目指し外相レベルの電話会談を重ね協議を続けてきましたが、停戦は崩壊し協議も行き詰まったことで、シリアの内戦の平和的な解決はさらに遠のくことが懸念されます。