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「調べ学習」へ図書館充実 東京・小平第一小、独自の資料索引作り

毎日小学生新聞のスクラップ記事を収納したファイルと石橋教諭

 アクティブ・ラーニング(課題解決型学習)に必要な資料を子供たちが見つけやすいように、身近な情報センターとなる学校図書館の機能強化に期待がかかる。東京都小平市立小平第一小学校では司書教諭を中心に学習テーマに応じて書籍や新聞記事を探し出すパスファインダー(ナビゲーターのような仕組み)を作り注目されている。

     ●本や記事をテーマごとに

     パスファインダーは「道(Path)を見つける人」を意味する。同小司書教諭の石橋幸子教諭(59)は2011年9月に北海道の帯広市図書館を訪れた際、「ゴミ・リサイクル」を子供たちが調べるために役立つ資料をわかりやすく紹介したA5サイズで4ページの冊子を手にした。「資源再利用」「廃棄物処理」などのキーワードから図書館にある事典や関連書籍、新聞の特集記事など計20点以上を紹介したもので、これを参考に同小独自の仕組みを学校図書館協力員と作ってきた。

     たとえば、5年生の総合的な学習の時間で学ぶ「環境」に関連した「消えゆく野生動物」の単元で「絶滅しそうな生き物」の資料を探す際、その手がかりとなる「絶滅危惧種」「野生動物」「動物保護」「レッドデータブック」「生物多様性」「ツキノワグマ」「ジュゴン」「オオワシ」「アホウドリ」をキーワードとして示し、図書資料6冊に加え、毎日小学生新聞の該当記事を切り抜いてとじたファイルとニュース学習誌「月刊ニュースがわかる」(毎日新聞出版)を紹介するA4サイズ1枚の資料を作成。こうして作った独自のパスファインダーは「宇宙・天体」「地球温暖化」「世界遺産」「オリンピック・パラリンピック」「体の不思議」など22のテーマに及ぶ。

     毎日小学生新聞をとじたファイルは「自然」「地理・歴史」「社会」「工業・技術」「産業」などに分けた小箱にテーマごとに収納。たとえば、絶滅危惧種についての記事「第4次レッドリスト 絶滅危惧種3597種に」(13年2月11日付毎日小学生新聞)は「自然」の小箱の中に入っている。このスクラップ作りは学校図書館ボランティアも含めた共同作業という。石橋教諭は「新聞は調べ学習に必須の資料」と話す。

     「ニュースがわかる」の特集記事(11年6月以降)も「国際」「社会」「教育」「政治」「科学」など16分野の件名と掲載年月、キーワードや概要を分かるようにまとめたガイド冊子「件名表」を作って、児童がすぐ見つけられるようにしている。

     ●他校にも広がる実践

     今年7月、同小に学校図書館の研究をしている教師が集まり、5年生を対象に石橋教諭のパスファインダーを使った調べ学習の授業が行われた。「星座」「リサイクル」「自動車」「絶滅危惧種」など7グループに分かれた児童は関連する書籍、新聞を次々机に載せ、調べた内容を書いた紙を模造紙に貼り、「テーマで参考にできることがいろいろのっていてべんりだった」「調べたいことがのっている本がパスファインダーにのっていてやりやすかった」「本をかんたんに調べられた」などの感想を書き込んだ。

     こうした実践に関心を持つ参加教師から「便利なので市内全体で研究を進めよう」との提案があり、他の小学校にも実践が広がりつつあるという。【城島徹】

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