ソシャゲの戦場はボットへ? Telegramメッセンジャー、HTML5ベースのゲームプラットフォームを公開 【@maskin】

ChatBotHTML5, telegram, ソーシャルゲーム

LINE、Facebook Messenger、WhatsUp Messenger、WeChat、Google Alloといった主要プレイヤーによるメッセンジャープラットフォームが「チャットボット」で激戦を繰り広げている。多くは対話型で既存のウェブサービスAPIを叩くだけというのも多い中、暗号化チャットで世界1億人以上のユーザーを抱える「Telegram」が他のユーザーと競争できるゲームプラットフォームの提供を開始し注目を集めている。

「Telegram」ー 日本では馴染がないが、セキュリティ意識の高い欧米で人気のメッセンジャーアプリだ。昨年ボットプラットフォームをリリースしており、今回それをベースにしたゲームプラットフォームを公開した。 あくまでチャットアプリ上で動作する簡単に遊べるゲームだが、よくあるテキストベースの対話ゲームではなく、グラフィックやサウンドを含んだ動きのある多様な作品が期待できるものになっている。

このゲーミングプラットフォームは、各ゲームごとにハイスコアやコンタクトに入っている知人の得点を自動で表示する機能があり、順位争いを気にするいわゆるソーシャルゲームのような環境を提供する。

これらはHTML5ベースで開発されており、特別なフレームワークを組み込んだりすることもなく、デバイスもiPhone4以上、Android4.4以降であれば利用できるという対応ユーザー層の厚さも特徴だ。それでありながら、現時点でサードパーティの開発者によってパズルやマルチプレイヤーの3Dゲーム、ストラテジーゲームなど30のゲームが提供されており、表現の幅の広さも伺える。

得に欧米ではHTML5とJavaScriptで書かれたウェブゲームが多数公開されており、容易にこのプラットフォームに移行できるため、タイトル数の増大は時間の問題と考えられる。現時点でマネタイズ手段が提供されていないが、思った以上のスピードで市場を形成する可能性も否定できない。



【関連URL】
・Gaming Platform 1.0
https://telegram.org/blog/games

蛇足:僕はこう思ったッス
maskin-bit-2016 多くのチャットボットがリリースされているものの、“ユーザーが夢中になる” とは言い難いものばかり。LINEは「LINE DEVELOPER DAY 2016」において、実用的なチャットボット開発者に最高賞金1000万円とする「LINE BOT AWARDS」を展開するが、過去のインターネットの歴史をふりかえると、実用的になればなるほど生み出すのが困難になる傾向がある。 プラットフォーム上で価値を生むコンテンツ。近年日本ではソーシャルゲームがその一つに挙げられると思うが、チャットボット&ソーシャルゲームは大きなチャンスとなるのだろうか。
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Editor In Chief at TechWave.jp
1990年代初頭から国内外のソフトからハードまで50以上のスタートアップ立ち上げを経験。平行して雑誌ライターとして疾走。シリコンバレーでガレージベンチャーに参画後は、ネットエイジを筆頭にスタートアップに多数関与。ブログやSNSの国内啓蒙、ソニーの社内イノベーション事業など関与。直近では通信キャリアのニュースポータルの立ち上げ期の編集デスクとして数億PV事業に育てた後、TechWaveにジョイン。世界最大のIT系メディアであるスペインの「Softonic」に参加後、2016年からTechWave第三章として新興メディアの開発を再スタート。国内最大規模のスタートアップ&B2Bイベント「アプリ博」のオーガナイザー。
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