Amazonビデオでプライム対象、いわゆる無料視聴になってたので、ちょっと観てみよかぐらいの気持ちでなんとなく観た映画『ビリギャル』
まさかこんないい映画だったなんて・・・
原作本は『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』そのタイトルから『ドラゴン桜』系の話かなって思った人も多いはず。
でもね、これって受験がテーマなんだけど子育てにも深く関わっていて、考えさせられることも多いです。むしろそっちメインやろっていうぐらい。
こういってはなんですが、予想に反していい映画でした。
あらすじ
偏差値30で学年ビリのギャルが、ある塾講師と出会い、猛勉強の末に慶應大学に現役合格を果たすという実話を元に作られた映画です。
とまぁ、あらすじとしてはそれだけなんですけど、そこに行き着くまでの親子の関係性とか、子育ての在り方とか色々と考えさせられます。
ワクワクすることだけ
始めは、さやか(有村架純)の母(吉田羊)に対して「ちょっと過保護なの?」っていう印象を持ちました。
小学校で友だちと上手くいかない娘を心配して教師に直談判するも、対応などしてもらえそうになかったので「じゃぁ転校します」って転校しちゃう。
だけど転校先でもやっぱり上手くいかなくて、そんな折に「あの制服かわいい」って娘が言ったから「じゃぁあの学校、受験しましょう!」ってなる。
「さやかがワクワクすることだけしてればいいの」
ワクワクすることだけやって遊びまくってたら勉強も全然できなくて、ギャルになって、教師に「クズ」呼ばわりされるまで落ちこぼれてしまったんだけど。
それっていいんだろうか・・・確かに楽しそうなんだけどね。
塾に行ったきっかけも、無期停学を言い渡した学校に不信感を抱いて、エスカレーター式じゃなく「受験して他の大学に行かない?」って感じだったし。
娘を正当に評価しないものはすべて排除して、次々と環境を変えちゃうんだなぁってそこはちょっとモヤっとしました。
子どもを信じて味方でいること
でもね、このお母さんのすごいのは、常に 子どものやることを信じて100%味方でいたってところ。
制服のスカートがどんどん短くなって、メイクもどんどん派手になってもそれを無理やり正そうとしなくて、いつだって娘のやることを見守ってる。
ただの甘やかしと紙一重ってとこもあって、難しいんだけど。
究極は、ハードな受験勉強によって、授業中に寝てばかりの態度が問題となって学校に呼び出されたとき、母は「本当に申し訳ありません、でもさやかは本当に本気で頑張ってるんです!」と頭を下げてこう言いました。
「塾でも夜遅くまで勉強して家でも朝まで勉強して。じゃぁあの子は一体いつ寝ればいいんですか、学校しか寝る場所がないんです!」
うぉい!真剣な顔してその主張!すごいお母さんだわ。
周りがなんと言おうと娘の味方になって、娘がやる気を出したことに関しては全力でサポートしよう!って気持ちがすごく大きいんですね。
そのためなら、なりふり構わないっていうものすごい気迫に、子どもへの愛情を強く強く感じました。
ワクワクすることに変える
そんな母の育て方が大きく身を結んだのが、坪田先生との出会いです。
彼はさやかちゃんにとって無謀とも思われる「慶應義塾大学に入る」という目標をなにか「ワクワクすること」のように与えたんです。
坪田「とりあえずさ、行きたい大学決めてみようよ」
さやか「志望大学とか考えたこともないし」
坪田「思い切って東大にする?」
さやか「東大?ガリ勉のダサい男しかいないんじゃね?」
坪田「じゃぁ慶應は?慶應ボーイって聞いたことない?」
さやか「なんかイケメンそろってそー」
坪田「じゃぁ慶應に決めちゃおう!」
小学4年生程度の学力しかなかった彼女に小学生ドリルを与えて「分かる!できる!」というワクワク体験を繰り返させていきます。
「ワクワクすることだけしてればいい」 という母の教え、そして坪田先生によってもたらされた「ワクワクすること」との出会いで彼女は大きく変わっていきます。
褒める、ひたすら褒める
学校ではクズと呼ばれていたさやかちゃんでしたが、坪田先生は彼女を否定することなく褒めまくりました。
「すごいね!ここまで謎に満ちた答案ははじめてだよ!」
「君の発想ははっきりいって天才級だよね!」
「全問不正解だけど解答欄はすべて埋まっている!その積極的な姿勢が実に素晴らしい」
0点の答案を目の前にしても、こんなに出てくる褒め言葉がもう単純にすごい。
子どもを褒めることって認めることなんですね、そうやって自己肯定感を高めていくっていうのが大事なのね。
平気でバカをさらせる素直さ
この子がすごかったのはなんといってもその素直さ。劇中にあるセリフですが「平気でバカをさらせる」ってとこ。
人って他人には良く見せたいと思うもの。バカなとこや出来ないところなんてできれば隠していたいじゃないですか。
だけど彼女は実にオープンで「知らない、わからない」が素直に言えて、坪田先生の指導にも素直に応じる。そして、分かった喜びも素直に表現できる子でした。
この素直さってめっちゃ大事ですよね。そしてそれが出来たのは、やっぱり母親がいつも彼女を認めてくれていたからかなと思いました。
結果を求めるのではない
塾の費用を捻出するために、夜も働きに出ることになった母が坪田先生に語ります。
「受かる受からないは関係ない。さやかは塾にきてからずっとワクワクしている。それだけで十分なんです」
子どものワクワクのために、私はどれだけ自分をかけていただろうって、我が身を省みました。身につまされる。
子どもに心を揺さぶられる経験を与えることに、もっと注力しなきゃ。
子どもに自分の夢をたくす親
そして反面教師のように登場するのが、田中哲司さん演じるさやかの父親。これがまたかなりの クソ親父 でした。劇中で何度「クソ親父」と言われたか・・・
叶えられなかった自分の夢を1人息子に託し、一方で娘たちには無関心を決め込む。しかしその愛情は息子には大きなプレッシャーとなってのし掛かっていた。
典型的なダメ親パターン。これはひどいなぁと思いながらも、いろいろと考えさせられました。息子がまた泣けるんだわ。
- 親の夢を背負わされた子どもの苦しみや葛藤は?
- 兄弟で差をつけられて育った子どもとその親との関係は?
まとめ
頑張れば夢は叶う!っていうサクセスストーリー的な面を持ちながら、親子関係や子育ても描かれていて、子どもと親の両面から見ることができます。
こうありたいなっていう母の形、母の愛を見せられました。