ノーベル医学・生理学賞 大隅良典氏に生直撃しました。

10/04 00:44
3日午後、2016年のノーベル医学・生理学賞が発表され、東京工業大学栄誉教授・大隅良典氏の受賞が決まりました。
大隅教授に、「ユアタイム」が生直撃しました。

(おめでとうございます。受賞決定の瞬間、まず頭に浮かんだのは?)
大変光栄なことだということは、もちろん、それに尽きるんですが。なんと言いますか、これから、いろいろなことも、いっぱい降ってくるだろうなということも含めて、ちょっと複雑な気分でもありましたけど。

東大大学院医学系研究科の水島 昇教授「大隈先生、このたびは、ご受賞おめでとうございました。早く、直接お話しできる機会が来るとは、思っていなかったんですけれども。今、わたしのところに、世界中から、『大隅先生の受賞、おめでとう』というメールが、たくさん来ていて。たぶん、先生、メール見る暇がないと思いますけど、世界中のオートファジー研究者を代表して、本当におめでとうございますと申し上げたいです」

(大隅教授から、水島さんにかけたい言葉は?)
もちろん、わたしは、ずっと酵母の研究を続けてまいりまして。酵母だけで、オートファジーの世界が広がるはずがなくて、そういう意味では、水島さんとか、吉森さんとか、わたしの研究室から出て、自由に新しい研究を展開してくれて、世界をリードしてくれたことの結果だと、わたしは、そう思っています。
そういう意味では、わたしの基礎生物学研究所の時代は、とても実り多い時代だったなと思って、皆さんに、非常に強く感謝の意を感じています。

(『人が寄ってたかってやることをやるより、誰もやっていないことをやるのが楽しい』と話していたが、オートファジーというのは、研究として、あまり目をつけられていなかった?)
当たり前のことなんですけど、わたしずっと、生物は、合成と分解のバランスの中にしか、あり得ないということを言っていたんですけど。
合成っていうのは、例えば、遺伝子発現というのは、微生物学の王道で、たくさんの人が、もちろん、今も研究をしています。
一方、分解っていうのは、できたものが壊れるっていうのは、すごく自動的なプロセスだと思われがちで、しかも、実を言うと、解析も易しくないので、結構、残されていた分野だったんだと、わたしは思っています。
それは、分解から仕事が始まるなんてことはあり得ないので、合成が一定程度、研究が進んだうえで、わたしも含めて、分解に少し目が向き始めたっていうことだと、自分でも客観的には、そういうことなんだろうって思っています。

(オートファジーをコントロールすることで、例えば、アルツハイマー病やパーキンソン病、がんなどの治療への期待も高まっているが、大隅教授自身は、何を期待されている?)
むしろ、水島さんに聞いた方がいいかもしれませんけれども、わたし自身は、オートファジーの研究って、まだまだ未解明のことがたくさんあって、いろいろなことがわかったと言える状況じゃないと思っています。
なおかつ、まだ酵母に問いかけることが、たくさんあると思っています。
わたしは、そういうことで、オートファジーの研究に、まだ貢献できる余地が、たくさん残っているっていうのが、わたしの基本的なスタンスです。
もちろん、動物細胞はとても複雑で、とても面白いことがいっぱいあるのは、十分知っているのですが、わたしは歴史的な使命として、酵母で、もっと突き詰めてみたいと思っていることを、あと数年間、やれたら幸せだなと思っています。

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