今回は僕の毒抜きも兼ねて、今まで経験した闇の一つを書こうと思います。
未だに情報商材やら、セミナーやらときな臭い系の話はありますが
僕が経験した闇というのが、美容室とWEB業界の闇です。
理美容業界の現状
この業界は栄枯盛衰が激しく、毎年多くの美容室が開業しては廃業していきます。そりゃもう1年とか下手すりゃ半年で廃業なんて話もあったりです。
※実際にはちゃんと継続して経営されてるお店もあります。誤解のないように。
平成25年には全国の美容室の件数は234,089件となっており、平均して1つの県に約4,900件の美容室がある計算です。
これは同年の全国のコンビニの件数50,465件の4倍以上にもなる計算で、美容室というもの自体がそもそもレッドオーシャンです。
つまり超絶激戦であるがゆえに、どのオーナーも第一に集客について考え、そしてこの集客したいニーズが一つの大きな市場になってます。
WEB業界から見た美容室業界
WEB業界から見たこの美容室業界というのは、ハイパーレッドオーシャンです。
日夜パイの奪い合いが繰り広げられていますが、その理由が下の内容です。
同業他社多すぎ
開業→自社サイト作る→廃業→テナントに新しく美容室が開業→自社サイト作る→廃業
みたいなサイクルを考えてもらえればわかりやすいと思うのですが、新規でWEBサイトを作りたいというニーズの絶対量がとにかく多いんです。当然ニーズが多いと皆その市場に集まってくるので、必然的に多くの業者が攻め込んできて、レッドオーシャン化したという流れです。
一人勝ちの業者がいる
美容業界には絶対的な勝者がいます。
ホットペッパービューティーというサイトを聞いたことがあると思いますが、クーポン付きのポータルサイトで、今や一般消費者が美容室を探すとなった場合、多くの人が当該サイトで検索をしてます。
ホットペッパーの8月のアクセス数は約2,500万セッション。
※このツールは割りと適当な数字を出すんで、すっげーアクセス多いぐらいにとどめて貰えればと・・・
つまり利用者が多く、美容室にとってこれほどまでに集客力のあるツールは他ありません。そのため多くの店は集客をホットペッパービューティーに頼りきっているという現状です。
この2点において、WEB業界から見たときの、美容業界というのはレッドオーシャンであることがご理解いただけると思います。
どうやって参入するのか
新規参入してくるWEB会社が、美容室相手にどうやって仕事を取りに行くかというと、WEBを使ってSEOやリスティングやってSNSで情報拡散させて・・・みたいな、みなさんがイメージするようなWEBのマーケティング手法は使いません。
というかだいたい使えませんw
(予算かかるしノウハウ自体持って無い所がほとんど)
で、何をやるかというと。
ひたすらテレアポ。
これにつきます。
毎日一人100件ぐらいは電話して、ひたすらリストを回しに回します。 大都市圏の美容室に行く人がいれば、ぜひお店にかかってくる電話の頻度を確認してみてください。
あれ予約の電話じゃないっす。
だいたい業者からの電話っす。
毎月月末に次月分のホットペッパービューティーの誌面が発行されるんで、WEB業者は翌月頭からみんなホットペッパービューティーに掲載しているお店にガンガン電話します。
意外と人が変わったりするとアポイントが取れたりする不思議。
人からの紹介等はムリなので、ゴリッゴリの電話営業で攻めまくります。
「弊社のサイトはSEOに強い仕組みで、ビッグワードの上位も狙っていけますよ。」
「ホットペッパーは新規集客が得意ですが、うちはリピートも集めてこれるようなWEBサイト作るんですよ。」
「他にはないブランディングを含めた、WEBサイトのご提案をします。」
どの会社も大体こんな感じでアポを取ります。
電話の段階ではほぼ相手の興味を惹くワードを投げかけて、アポイントにつなげるために、大風呂敷を広げてる人もいました。
そして、営業時のトークは大体話す内容、キラートーク的なものも決まっていたのですが、結構ひどいのが多かったです。
営業マンのよくわからない営業トーク集
①「とにかくブログを更新すればSEOで上位に上がってきますよ!」
②「KWを沢山入れてブログを書けばグーグルさんは評価してくれますよ!」
③「○○というKWは月間検索数が10万なので、1位になると、月に10万人がサイトに来てくれますよ!」
という上記のような説明をしてるんですが、これを1つずつ突っ込んで行くと。
①ブログ更新しても確実に上がるわけではない。バックリンクとかモバイル対応とか、他にもクリティカルになりえる要因はある。
②KWの含有率を上げるよりも情報の網羅性が大事。入れ過ぎるとスパム判定されますし、それを気にするぐらいなら記事の質を考えた方が良い。
③この場合、仮に1位になったとしても、1位の平均クリック率は20~30%なわけで、どれだけ多く見積もっても月間3万人ぐらいが関の山です。
と、こんな感じです。
ちなみに上記を指摘したら、明日から来なくて良いということで、即退職しました。
僕が経験した闇
蓋をあけると、どこもだいたい同じ内容なんですよね。
それを話術で売っていきます。
聞き慣れない言葉を使って、あたかも僕達は成果の出るものをこれだけ安く売ってるんですよぐらいの勢いでガンガンに攻める。
オーナーも経営のプロではありますが(便宜上)、WEBのプロでは無くて、どうしても知識や経験が追いつかない部分があります。で、営業が言ってることを鵜呑みにしちゃって100万以上のCMS付きサイトを契約したりなんて話もよく聞きました。
CMS付きで100万以上ってページ数にもよるけど、結構な金額。
個人商店レベルならそんなに積まなくてもそこそこのサイトは出来るはずです。
多くのオーナーさんは真剣にお店の経営や集客について考え抜かれた上で、時にはコスパ無視で集客じゃなく認知のために高いお金払って広告出したりしてます。
そういった意識の高いオーナーさんに対して一部の制作会社は、さも自分たちの作るWEBサイトは立ち上げた途端に爆発的な集客を生み、唯一無二のブランディングが出来るという感じの話をして受注を取ります。
でも成果は出ない。
WEBサイト作って集客するって、この業界の人間ではない方からすると、本来はかなりハードルの高いことで、それを簡単に出来るとかもってのほかで、サイト立ち上げてブログ書いてればなんとかなるという次元じゃないんですよね。
このハードルの高さを知らない人が多く、そして知らないことを利用して金を稼ごうとする人間がいる。
これが僕の感じたこの業界の闇です。
じゃあどうすればいいのか?という話ですが、個人的にそういった業者を見分ける方法をいくつか書きます。
怪しい業者の見分け方
営業手法
まずテレアポしかやってない所は怪しいです。
先にも書いた通り、WEBやってて集客のできるサイト作ります!とか言ってるにも関わらず電話での営業しか出来ない=その会社が他の手法、SEMなどをやった場合の収益性が低いか、そもそもWEB集客におけるノウハウ自体持って無い可能性があります。
ただ、誤解をしてもらいたくないのが、テレアポやってる=怪しい制作会社ではないです。テレアポだけしかやってない=怪しい制作会社だと個人的に思います。
なんで?に答えられるか
なんでその施策で検索順位があがるのか?
なんでそれほど流入が見込めるのか?
ここをしっかり説明出来るかどうかで大きな差があります。WEB業界の人間、それも営業が他業界の方にWEB集客やそもそもWEBってなんなの?を説明する際に、全くなにも知らない方に対して、納得いくように説明するには、なぜそうなるのか?をしっかりと説明出来ないと、営業にならないですよね。
話を聞く上で気になる部分はどんどん突っ込んで聞きましょう。
事例はあるか?
同業界の他社事例があるかどうかを確認しましょう。
WEB製作会社ですが集客が得意です!と言ってる以上は何かしら今までの実績があるはず。出来るなら同業界で
1.どれだけの期間で
2.どれぐらいの流入を
3.どこから獲得し
4.そこからどれだけ受注につながったか
上記を説明してもらった方がいいです。
そういう部分をちゃんと説明できる会社は、営業さんの受け答えもしっかりしてましたし、こちらのなぜ?にも適切な解答をくれました。経験上。
反対に集客得意です!って言う割にこの部分の質問をするとごまかす営業(会社)は、実際集客とかは大して得意でもなかったというパターンが多い印象です。
見積もり
僕の経験上、適当な会社は見積もりも適当です。
「TOPページ 100,000円」
みたいな感じです。
ちゃんとした会社(というと表現が曖昧ですが・・・)は
「TOPページ:デザイン 60,000円 1日工程10,000円×6日を想定」
「TOPページ:コーディング 100,000円 1日工程10,000円×10日を想定」
※金額や想定日数は適当です。
というような感じで、なぜその項目がその金額なのか、細かな部分まで明確に記載していることがほとんどでした。会社によってはクライアントに出す見積もりの記載方法がルール化されており、上記のような記載がなければ提出できない所もありました。
他にもデザイン・コーディングだけわけて、金額の詳細は無しみたいな所もありましたが、ちゃんとクライアントの納得感を考えるのであれば、上記のような記載をしたほうが良いですよね。
と、ここまで書いておいてですが、一番良いのは「信頼出来る方からの紹介」です。
これに勝るものは無いと思います。
まとめ
以上が僕の個人的な経験からくる、WEB業界の闇と、怪しい会社を見分ける方法ですが、この半分詐欺まがいにWEBサイトを作る制作会社は、それほどすぐに淘汰されることはないと思っています。
というのも、一般消費者のWEBに対してのリテラシーが、数年前に比べて上がってはいるのですが、「サイトでよく見る広告はアドセンス広告というもので、クリックするとサイト運営者に広告収入が入るよ!クソが!」ぐらいの域を出ていないからです。
なので、信頼出来る人からの紹介をもらうか、そういった人が周りにいないのであれば、自分でサイトを立ち上げるか、ひたすら知見を重ねて自衛するしか無いというのが現状です。
今回は完全に自分の毒抜きのためにこのような記事になりましたが、発注側の皆さまにとって、業者選定の参考になれば幸いです。