2016年9月29日14時08分
9月28日、ウクライナ東部で2014年7月に起きたマレーシア航空機撃墜事件の刑事責任を追及する合同捜査チームは、同機を撃墜したミサイルはロシア製で、親ロシア派が支配する村から発射されたとする中間報告を公表した。写真はロシア防衛省幹部が、レーダー情報を公開したMH17便撃墜事故の記者会見の模様。ロシア・モスクワで26日撮影(2016年 ロイター/Maxim Zmeyev)
[ニーウェガイン(オランダ) 28日 ロイター] - ウクライナ東部で2014年7月に起きたマレーシア航空機撃墜事件の刑事責任を追及する合同捜査チームは28日、捜査状況の中間報告を公表した。
報告書は、同機を撃墜したミサイルはロシア製で、親ロシア派が支配する村から発射されたとしており、同機を撃墜したのはウクライナ軍だと主張するロシア政府の見解と真っ向から対立している。
撃墜されたマレーシア航空機はアムステルダム発クアラルンプール行きで、乗員・乗客298人全員が死亡。その多くがオランダ人だった。
捜査は2年以上に及び、中間報告の結果は膨大な数の盗聴記録、写真、目撃証言や法医学的分析に基づいているという。
中間報告の主要なポイントは、1)マレーシア航空機はロシア製ミサイル「ブク」によって撃墜された、2)ミサイルを発射した地点は親ロシア派が支配するウクライナ東部のペルボマイスコエ村だった、3)ミサイル発射装置はロシアから運び込まれた──など。
ウクライナ政府は中間報告を受けて、ロシアの「直接的な関与」を示すものだとの見解を示した。
一方、ロシア大統領府のペスコフ報道官は同日、マレーシア機を撃墜したミサイルが親ロシア派支配地域から発射されていないことを示すレーダー情報に基づくデータがあると述べた。
オランダ、マレーシア、オーストラリア、ベルギー、ウクライナの5カ国の捜査官で構成している合同捜査チームは、ロシア政府が言及しているレーダー情報はまだ入手していないものの、ロシア政府が提供すれば分析するとしている。
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朝日新聞国際報道部